IN/OUT (2015.10.4) |
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会計年度の上期が終わり、下期に突入。今年度も、後半、厳しそうだと思いながらも、結局の所、ほとんど毎年、同じ事考えてるかな、という気もする今日この頃です。 最近のIN"Danny Collins" (15.10.3)Al Pacino主演作を観てきた。邦題は「Dearダニー 君へのうた」 Al Pacinoが扮するのは、大物ロック・シンガー Danny Collins。過去には大ヒットも飛ばしたが、この30年間は新曲を作ることも無く、往年のヒット曲を披露するだけ。それでも、オールド・ファンを集め、アリーナ・ツアーを満員にする観客動員力は、今もある。酒とコカイン、そして若い女に溺れる生活をダラダラと送る姿は、いかにも有りそうな、ベテラン歌手の姿だ。 そんな彼に、John Lennonからの手紙が届く。43年前、デビューしたばかりのDannyが受けたインタビュー記事を読んだLennonが彼に興味を持ち、直筆の手紙を寄越したのだ。しかし、宛先は雑誌の編集者。受け取った編集者は、それをDannyに転送せず、コレクターに売ってしまっていたのだが、今回、マネージャーがそれを見つけ、交渉の末、本人の手に渡ったということ。何だか絵空事めいた設定だが、この部分は実話に基づいている。本当に、数十年の時を経て、Lennonの手紙を受け取ったフォーク・シンガーがいるそうだ。この映画は、その出来事にインスパイアされているのだが、それ以外は、完全なフィクションである。 Lennonの手紙を読み、初心を取り戻したDannyは、それまでの生活を改め、かつて、ツアー中にグルーピーの女の子が産んだ、彼自身は一度も会ったことが無い実の息子を訪ねる。超大金持ちの生活が身に染みついているロック・スターと、彼のことを憎みながら、普通の生活を送って生きてきた息子一家。当然、噛み合うはずも無く、ここから物語は転がっていく。 Al Pacinoのロック・スター演技が、痛快。単なるお伽噺にせず、途中でほろ苦いツイストが入る展開も巧い。ラスト・シーンの余韻も素晴らしく、とても良く出来た人情劇だ。 "Turbo Kid" (15.10.3)核戦争と環境破壊で荒廃した未来。貴重な水資源を支配する暴力組織にさらわれたガールフレンドを救うべく立ち上がるヒーロー。という筋立ての映画を観てきた。ただし、超低予算映画。シネマート新宿で一週間限定のレイトショー公開という扱いだ。 舞台は「未来」ということだが、その設定は1997年。つまり、この映画の世界では、80年代をピークに、その後、文明が崩壊したことになっている。1979年に第一作、1981年に第二作が公開された"Mad Max"や、1983年に連載が開始された「北斗の拳」などを強く意識した設定なのだ。残虐な悪役のボスは、まさかの大物俳優 Michael Ironsideが怪演。大量の血糊と肉体損壊シーンに彩られたバイオレンス・シーンは、激しいのだが、何せ低予算。特殊効果がチープなので、どちらかと言えば、笑いを誘うパターン。 そして、何より腰砕けになるのが、主人公も悪役も、皆、バイクや車ではなく、自転車を乗り回している事。まあ、文明が崩壊した後も、ガソリンの精製と流通がどこかで機能しているというMad Max的世界の方がご都合主義と言えるのかもしれないが、凶悪な装束に身を包んだ悪役どもが、キコキコ自転車を漕いでいる姿は、まさに珍作。なお、映画の上映前、登場人物のコスプレをしたシネマート新宿従業員が、自転車で場内を走るという、プチ・イベントも敢行されてました… まあ、製作側も興業側も、学生自主映画的なノリとも言えるのだが(監督は、これまで短編の映像作品を作ってきたクリエイター集団の三人組)、センスの良さは光っている。ヒロイン、Appleちゃん(演じるのは、カナダの女優 Laurence Leboeuf)のキャラ設定のぶっ飛び方もすごいし、オープニングに流れる、いかにも商業ロック的音楽や、劇中に流れるシンセ・サウンドなど、まさに80年代テイストの音楽も、分かっているなぁという感じだ。 オーディオ環境、世代交代 (15.10.4)メインのオーディオ・システムの、入力部を取り替えることにした。2年前、CDを入れ替える手間を省くべく、iPodからデジタル信号を取り出し、DACでアナログ変換というシステムにしたのだが、これでもまだ面倒くさいという感じになってきたのだ。最近、ようやく、手持ちの全CDのロスレス音源での取り込みが完了し、全てをOneDriveに同期するようにしたので、そのファイルを、自作PCで再生しようという寸法である。 購入したのは、ASRockのBeeBox。NUCサイズのベアボーン・キットだ。CPUは、IntelのCeleron N3150。低めの性能ではあるが、音楽再生専用機には、十分だろう。これに、メモリとmSATA接続のSSDを購入。OSは、Windows 10 Homeのパッケージ版。さらに、リビングのTVをモニター画面として使うため、HDMI切替器も購入。10年前の液晶TVには、HDMI端子が一つしか無いのだ。キーボードとマウスは、手元にあったBluetooth接続の小型の物を使うことにする。 一括して、ヨドバシへ発注。例によって、あっという間に配達されてくるのだが、小ぶりの段ボール一箱に全発注品が収まっている事に驚いた。まあ、PC本体が、NUCサイズ(幅 11cm、奥行き 11.9cm、高さ 4.6cm。写真の上、白い箱。下が、ONKYOのDAC。右は、大きさ比較用のCDジャケット)で、ディスクもmSATA接続のSSDなので嵩張らない。さらに、Windowsのメディアが、ディスクでは無くUSBメモリになっていて、これまた箱が小さい。 組み立ても、ベアボーンなので、すごく楽。筐体を開けて、SSDとメモリをスロットに挿すだけ。ケーブルの取り回しがないので、簡単だ。Windowsのインストールも拍子抜けするほど楽。音楽再生専用なので、余分なソフトは極力入れない。Foobar2000と、その追加コンポーネントだけをインストール。ONKYOのDAC-1000のドライバーがWindows 10に対応していないことに焦ったが、互換モードでインストールすることで、問題なくASIOでの再生が可能になった。BeeBoxの箱を開けてから3時間ほどで、作業は完了。久しぶりのPC組立だったが、このサイズの機能を限定したマシンなら、随分と簡便にできるようになったものだと驚く。 PCから先は、ONKYOのDAC、DENONのアンプを通して、ELACのスピーカーを鳴らすので、理論的には、CDをONKYOの高級プレイヤーで再生するのと同レベルの音質だ(オカルト・オーディオ的には、色々突っ込まれそうだが)。それでいて、操作性は格段に良くなった。デスクトップ画面が、微妙にTVからはみ出してしまい、端の方のアイコンが、若干操作しづらいことを除けば、かなり満足度の高い環境だ。 ただし、OneDrive上にあるファイルを全て同期するには、丸一日はかかりそうだ。それを待って、Foobar2000の使い勝手を調整することにしよう。 せっかくなら、ベアボーンじゃ無くて、もう少し大きなPCも組み立てたいところですが、この上期は散財が過ぎたので、節約しないとな。…と自らに言い聞かせる。 |