IN/OUT (2015.3.22)

買い物のかなりの部分をネット通販で賄うようになりました。受け取る宅配便も増える訳ですが、最近では送料無料を謳う業者も増え、ありがたいことです。ヨドバシなんて、ほんの小物でも、送料無料の翌日配達が徹底されていて便利なのですが、同日発売の雑誌を複数予約購入しても、それらが別々の便で届けられます。大量に来る注文を捌くには、なまじ、まとめて発送するよりも、結果的には効率的なのかもしれませんが、ただでさえ薄利のところ、大丈夫なのかと、他人事ながら心配になってしまいます。


in最近のIN

大貫妙子 @ブルーノート東京15.3.16

音楽活動40周年を迎えた大貫妙子の公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。彼女の歌声は、これまで何度も生で聴いているが、ほぼ全て、矢野顕子の公演のゲストとして。昔から好きなミュージシャンなのだが、ソロの公演を観るのは、これが初めてだ。

バックは、彼女の公演ではお馴染みの、フェビアン・レザ・パネ(ピアノ)、吉野弘志(ウッド・ベース)、林立夫(ドラムス)の鉄壁の三人である。

登場した大貫さん。まずは、「みなさん、どうせこの後は、帰って寝るだけなんでしょうから、沢山呑んでください」と一言。この人、普段の喋り声は、透明感溢れる歌声とは正反対の、低音でぼそぼそしたもの。内容も、女性らしいと言うより、男っぽい感じ(「友達」という歌をしっとりと歌い終わった後、「親しい友達とは、お金の貸し借りはしない方が良いですね」と、身も蓋も無い発言など…)。そのギャップも、また良し。

一曲目が、「若き日の望楼 」。私にとって、魂の名盤「romantique」(1980年発売)の収録曲で、早くも感涙。このアルバムからは「新しいシャツ 」も披露されたし、「横顔」、「突然の贈りもの」といった、矢野顕子もカバーした名曲の数々も演奏。一方で、まだレコーディングされていない新曲や、現在、制作中の新アルバム「tint」からの曲も演奏された。「tint」からの三曲の演奏では、共同で作業しているバンドネオン奏者 小松亮太も登場。

この人が紡ぎ出すメロディーラインの美しさは、もう、無形文化財として保存すべき唯一無二のものだと思っているのだが、今回のライヴで披露された新曲群でも、そのクオリティが墜ちていないのが嬉しい。透き通った歌声も美しく、派手さこそ無いが、バックの三人の演奏能力の高さにも驚嘆。大人の雰囲気のアコースティック・サウンドを堪能。


"Begin Again"15.3.21

Keira Knightley主演の音楽映画を観てきた。邦題は「はじまりのうた」

彼女が演じるには、純粋に音楽を愛する英国女性。5年間同棲している彼がポップスターとしてブレイクしたのを機に、二人でニューヨークにやって来たが、その彼に裏切られてしまう。彼氏を演じるのは、 Maroon 5のフロント・マン Adam Levine。商業主義に魂を売った、やな奴だ(本人じゃ無くて、役柄がね)。

もう一人の主人公は、1990年代にヒットメーカーとして二度のグラミーを受賞しながら、今では時代に取り残され、落ち目になっているプロデューサー。演じるのは、"The Avengers"のHulk役でお馴染み、Mark Ruffalo。傷心のKeira Knightleyの歌声を偶然耳にした彼は、アルバム製作を持ちかける。

非常に良く出来た音楽映画だ。冒頭、同じ出来事を複数の視点で語り直すという演出手法にちょっと戸惑ったが、酔いの回ったプロデューサーの脳裏に、ギターで弾き語るKeira Knightleyの歌のアレンジが映像で浮かぶシーンで、一気にハートを鷲掴みにされた。そこからは、音楽好きには堪らない展開だ。落ち目とは言え、確かな能力と実績を持ったプロデューサーが、ミュージシャンを集め、(お金が無いので)ニューヨークの街角でゲリラ的にレコーディングをしていく様子に、ワクワクする。今の音楽業界への異議申し立てのお伽噺ではあるが、本当に音楽好きの人達が作った映画だというのが伝わってくる。

劇中歌のレベルも高い。Keira Knoghtleyが歌う楽曲は、当然、佳曲揃い。さらに、プロデューサーが試聴して没にするデモテープの楽曲や、Adam Levineが歌う、曲の持つ魂よりも商業主義を優先したアレンジの楽曲など、「駄目な曲」を、本当にダメダメにしては嘘くさくなるところを、ダサすぎることのない絶妙のレベルに持ってきていて、製作陣の音楽センスの良さが窺える。

さらに、素晴らしいのが、Keira Knoghtleyの演技と歌声。彼女が歌うのは、Suzanne VegaやThe Cardigansを思わせるタイプの曲(劇中、若い彼女はThe Cardigansを知らないというネタが挿入されている)なのだが、予想以上に歌が上手く、その声質は曲の雰囲気にピッタリ。"The Imitation Game"と二週続けて彼女の映画を鑑賞したことになったが、私の中で、好きな女優さんランク、急上昇である。



一方で、いい加減な通販業者も存在するわけで、この前、某所にガラスコップを発注したら、箱の外に若干のプチプチ・マットが巻かれているだけで、中のコップには何も緩衝材無し。当然、箱を開けたら中身が粉々というところがあって、呆れてしまいました。バイト君が手抜きしたんでしょうかね?