IN/OUT (2015.2.8) |
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残念ながら、ついに花粉症発症。やれやれ。 最近のIN「蜷川実花:Self-image」@原美術館 (15.2.7)蜷川実花と言えば、「蜷川カラー」と称される極彩色の作品群で知られる写真家だ。最近では映画やミュージック・ヴィデオの監督も手がけており、熱狂的なファンも多いようだが、私自身は、ちょっと苦手とする作風のアーティストだ。ただ、これだけ商業的にもメジャーなフィールドで活躍している人が、原美術館という小さな空間で、どのような展示をするのか興味があった。 一階は、いかにも蜷川実花、という世界になっている。展示室一面に極彩色の写真が飾られているが、ただ単に派手な色彩というのでは無く、濁りや歪みも感じら、被写体の中には腐りかけの果実や動物の死骸も混じる。凡庸な言い方になるが、聖と俗、エロスとタナトスが隣り合う鮮烈な空間になっている。やはり、私には苦手意識があるのだが、溢れ出すパワーには圧倒される。 二階の展示は、ちょっと違う印象の作品が並ぶ。目黒川の桜が川面に散る様子を、ひたすら撮ったという「PLANT A TREE」。そして、モノクロのセルフ・ポートレイトを中心にした「Self-image」。どちらも、「蜷川カラー」とは全く違う色調で、作家が自身の内面と真摯に向き合った、なにか、痛みすら感じるような、強烈な作品群だ。 観る側に、気力・体力を強いるような作品の数々。私の苦手意識は払拭されなかったものの、彼女のアーティストとしてのパワーや覚悟というようなものには、つくづく感心させられた展覧会だった。 今年のスギ花粉飛散量は多いという前情報通り、いきなりのインパクト。これから先が思いやられる今日この頃です。 |