IN/OUT (2015.2.1)

ブルーノート東京。良いジャズ・クラブなんだけど、たまにトンチキなお客さんに遭遇するのが困りもの。


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"LARRY CARLTON & STEVE LUKATHER JAPAN TOUR 2015" @ ブルーノート東京15.1.30

フュージョン界の超大物ギタリスト Larry Carltonと、TOTOのSteve Lukatherという二大ギタリストの共演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。フュージョンとロック、ジャンルが違うようだが、現在57歳のLukatherは、66歳のCarltonを「先生」と呼んで、昔から敬愛していたらしく、この組み合わせでのワールドツアーは過去にも行っている。

金曜日の2nd Showに行ってきたのだが、1stの演奏が延びたようでロビーは大混雑。15分遅れで入場。

バックのキーボード、ベース、ドラムスの三人が先にステージに上がり、音圧の高いロックサウンドを奏で始めたところに、お二人登場。Carltonのスマートな演奏に絡むLukatherのテクニックを駆使したプレイ。冒頭から、聴き応え十分だ。一曲毎に、たっぷりと時間を取って二人が絡み合う。これは、予定時間をオーバーする訳だ。

Lukatherは最近のTOTOでのハードロックな印象が強かったのだが、思い返せば、TOTO結成時は、凄腕スタジオ・ミュージシャンの集合体として脚光を浴び、幅広い音楽性を誇っていたのだった。今回の共演では、改めて、彼のプレイの幅広さと器用さに感心した。巨大アリーナでの公演経験も豊富なだけに、客の盛り上げ方も巧み。その彼を、小規模な会場で間近に観られるのは、ブルーノート東京ならでは。一方、Larry Carltonの方は、終始にこやかな表情で、クールな演奏を続ける。一人がソロを取り、もう一人がバッキングに回るときの音の贅沢さが堪らない。

バック・バンドも中々のテクニック。特に、ドラムスのKeith Carlockの長いソロは、圧巻だった。

Robert Johnsonの(と言うよりもCreamで有名か)"Crossroads"とThe Beatlesの"While My Guitar Gently Weeps"(アンコール)では、Lukatherがヴォーカルを取って、大盛り上がり。もちろん、Carltonの代表曲"Room 335"も本編最後に披露して、素晴らしい演奏。何とも贅沢な共演を観させていただいた。



私の前のテーブルに座っていた、かなり年配のご婦人。相当の大物らしく、開演前にはブルーノート東京のスタッフが、何かと気を遣って話しかけている。いわゆる「業界筋」の人かな、という感じなのだが、演奏中、ワインの酔いが回ってきたのか、立ち上がって踊りだすは、「日本人っておとなしいのよねぇ」と大声を発するやら、挙げ句は、ステージに向かって「るかさーちゃーん」。これには、Lukatherも苦笑しつつ「静かにね」とたしなめていましたが…

遠くの席だったら、笑って済ませられるかもしれないけど、これが至近距離。まあ、人の振り見て我が振り直せ。こういう会場では飲み過ぎには要注意ですな。