IN/OUT (2014.6.8)

これまで、何度も噂になっていた、品川・田町間に山手線の新駅を作る計画が、正式にJR東日本から発表されました。一番良く利用する区間に新しい駅が出来ることに、ワクワクするよりも、なんか面倒くさいなぁとネガティブな気分になってしまうのは、すっかり感性が保守的になってしまったのかなぁ


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「ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版」14.6.7

日比谷シャンテシネ初公開から60周年。さらに、ハリウッドでの新作公開を受けて、デジタルリマスター版として公開されている「ゴジラ」第一作を観に、日比谷のTOHOシネマズ シャンテに行ってきた。東京宝塚劇場の近くにあるこの映画館は、東宝グループにとって特別な存在なのだろう。ゴジラの像もあるしね。

雨の土曜日。1000円という上映料金もあってか、場内は満席。13時30分からの上映には、本編開始前に舞台挨拶として、主演の宝田明さん登場。80歳になっても、ぴしっとした立ち姿で変わらぬダンディさ。当時の思い出話を、ゴジラ以外の黒澤監督の話などに脱線しまくりながら20分ほど語る。

で、始まった本編。デジタル・リマスターということで、フィルムに付いた傷や音声が見事に修復されている。画面に映る新聞紙面の活字が読み取れるほどクリアになった画質と、広いダイナミックレンジで響き渡る伊福部昭の音楽は、オリジナルを何度も観たことがある人でも、体験する価値が大いにある、素晴らしい仕事ぶりだ。

久しぶりに再見した映画だが、1954年、まだ日本に戦争の記憶が生々しかったときに、再び東京が巨大な力で破壊される映画なんかを、よくぞ作ったものだと改めて感嘆する。オンキヨーのラジオが大写しになるなど、何カ所か、あからさまなタイアップ映像が入っていることにも、今回、気がつき、その面でも時代に先駆けた作品だったんだなぁ、と感心。


"The Grand Budapest Hotel"14.6.7

Wes Anderson監督の新作を観てきた。主演は、私にはあまり馴染みが無かったRalph Fiennesだが、むしろ、ちょい役で、Adrien Brody、Willem Dafoe、Jeff Goldblum、Harvey Keitel、Jude Law、Bill Murray、Edward Nortonらの豪華俳優陣が出演。皆、Wes Andersonの作品だと、役の大きさに関わらず、馳せ参じるのだろうか。

現代の作家が過去を回想する。それは、滞在していたホテルでオーナーから思い出話を聞かされた1960年代の出来事。そして、映画の中心は、オーナーが語る1930年代の冒険譚。という、三重の入れ子構造になった物語。東欧の架空の国を舞台に、迫り来る戦争が影を落とす1930年代、老舗ホテルの伝説的コンシェルジュ(仕事面だけでなく、好色面でも伝説的だったりする)と、新人のロビー・ボーイが巻き込まれる、大富豪の老女の死とその一族にまつわるミステリ仕立ての冒険譚は、ジェットコースターのように目まぐるしく、どこか人を食った展開を見せる。そして、ラストは意外なほろ苦さ。

もう、この監督の趣味が全開だ。一般常識からちょっとズレた登場人物達。予想のつかない方向に転がり続けるストーリー。画面に溢れるキッチュなデザイン。オフビートな笑い。Wes Andersonが作り込む世界観が好きな人にとっては、大傑作だ。ただし、人を選ぶかもしれない。もちろん、私には大好物の映画である。



現状、品川・田町間は、山手線の内側と外側の行き来が非常に不便なので、その辺が整備されると便利になるのは間違いないと思うけど、現在、車両基地がある場所にオフィス・ビルや住宅が建ち並ぶ町並みは、今のところ、まるっきり想像できません。これから人口が減り続けそうな日本で、こんな大規模開発、必要なのかしらん?