IN/OUT (2014.4.20) |
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桜が散り、ユリカモメが夏羽に生え替わり(顔グロになる)、かといって、まだ暑いという程ではなく、気候的にはベスト・シーズンになってきました。 最近のIN渋谷区立松濤美術館 リニューアル記念特別展 「ねこ・猫・ネコ」 (14.4.19)渋谷区立松濤美術館で開催中の展覧会を観てきた。文字通り、猫をテーマにした作品を集めた展覧会だ。 この美術館を訪れるのは初めてだった。渋谷の喧噪を抜けた松濤の落ち着いた住宅地の中にあるこぢんまりとした建物は、吹き抜けを囲んだ凝った構造だ。32年ぶりに改修工事を行い、そのリニューアル・オープン 第一弾の展覧会が、この猫展。聞いた話では、リニューアル前は、展示室の中に喫茶室があり、絵を見ながらお茶を楽しめたらしい。改装後、ゆったりしたソファーは残っているが、残念ながら、喫茶のサービスは無くってしまったようだ。 決して広くない展示室だが、古代エジプトのブロンズ像から、江戸時代の日本画、猫好きで知られた朝倉文夫の彫刻や、中国や朝鮮の作品まで、様々な展示が並んでいる。中心となるのは、近世の日本の作品で、もう少し、西洋の作品や、現代美術寄りの作品もあると楽しいのに、という気もするが、ポップ方向に流れず、可愛い系に媚びることも無い、なごみ系のネコが多い展示を見ていると、にゃんとも表情が緩んでくる。喫茶サービスが継続していたら、さらにまったりできたのになぁと思うと、ちょっと残念。 "The World's End" (14.4.19)Edgar Wright監督、 Simon PeggとNick Frostが出演(Simon Peggは、Edgar Wrightとともに脚本も担当)という、私好みの英国ジャンル映画人が集結した作品を観てきた。邦題は「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」 イギリスの地方都市。高校最後の晩に、一晩で12軒のパブをハシゴするという無茶に挑むも、最後の一軒「The World's End(パブの名前なのだ)」に辿り着けなかった5人組。それから20年。すっかり大人になった彼らが久しぶりに集まり、今度こそと故郷に戻って12軒のハシゴ酒に挑むが、町の様子が何かおかしい… というお話。出だしは、単なる酔っ払いの馬鹿話のようだが、途中から、異星人による地球侵略の話になり、最後は地球規模のスケールにまで風呂敷は拡がる。 いかにも、Edgar WrightとSimon Peggのチームらしい映画だ。ハシゴ酒と「The Body Snatchers(何度も映画化されているJack Finneyの傑作SF小説)」を組み合わたような奇想を、リズム感溢れる演出と、軽快な台詞回し、キレの良いジョークで駆け抜ける。大人になりきれないSimon Pegg扮する主人公を巡って「良い話」になるのかと思われる部分でも、決してしんみりとした人情話にしないところが、このチームの良いところだ。 Primal Scream、Blur、The Stone Roses、The Doorsなどの名前が並ぶサウンド・トラックもカッコ良く、これは、やっぱり英国映画。ハリウッド印にはない味わいの快作だ。 あとは、ヒノキが花粉を飛ばすのを止めてくれさえすれば、言うこと無いんですけどねぇ。 |