IN/OUT (2013.8.18) |
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あまりの暑さに、塩麹の短期熟成記録(丸二日!)を更新する今日この頃です。 最近のOUT"World War Z" (13.8.11)Brad Pittの最新主演作を観てきた。 謎のウィルスにより、人々が突如ゾンビ化。世界中の都市が壊滅していく中、我らがブラピが、その対策法を求めて大活躍しながら家族愛も謳い上げちゃうよ、という映画な訳だが、いやはや、駄作だった。 常々、ハリウッド娯楽作における、核兵器とウィルスの脅威を軽く見過ぎる傾向には不満を感じていたのだが、この映画が、まさにそれだ。まずは、それが最大の不満。 ほんの数秒前まで普通の人間だったのに、不幸にもウィルスに感染しゾンビ化した途端、情け容赦なく殺戮するという主人公達の非情さも、いかがなものかと思う。一方で、家族愛と言われてもなぁ。 そして、最大の不満は、ゾンビ化した人々の集団の動きが敏捷すぎて、全然怖くないことだ。「ここは、観客に悲鳴を上げさせるびっくりシーンが来るな」と身構えていても、あまりショッキングな展開にならない肩透かし箇所も多い。どうやら製作陣は、家族揃って観られるファミリー映画を作りたかったらしい。ゾンビ映画なのに、人体損壊描写がほどんど無いし、画面から汚らしい死臭が漂ってくることも無い。ゾンビ映画としては問題外の駄作だ。 元々、こんなジャンル映画に、巨額の予算をかけて、大スターを出演させちゃいけないと思う。製作陣も、そこは自覚しているのか、映画の宣伝でも、「ゾンビ」という言葉は極力避けているようだ。じゃあ、世界を守るための大活劇で盛り上がるかと言えば、これが、ショボいのである。物語が進むにつれて、どんどんスケール・ダウンしていくのだ。 ということで、なんともぬるい映画だった。唯一、面白いと感じたのは、ブラピ演じる主人公の所属が、国連という設定。従来だと、アメリカ政府機関所属の主人公が、あたかも世界代表のように振る舞うところだが、最近のハリウッドは風向きが変わったのか? ということで、口直し。Guillermo del Toro、魂の傑作、"Pacific Rim"を、今週はIMAXで鑑賞。ボンクラ・ゾンビ映画とは、伝わってくる熱さが違うな。 |