IN/OUT (2013.1.6)

正月休みで帰省。毎年思うことですが、木造家屋は寒いっ。


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宝塚歌劇 月組公演「ベルサイユのばら」13.1.2

宝塚大劇場帰省したついでに、宝塚大劇場に出かけてきた。今年、99周年を迎える宝塚歌劇。その正月公演は、月組による「ベルサイユのばら - オスカルとアンドレ編」1974年に初演され大ブームを巻き起こした作品を、脚本と演出を新たにして上演するものである。オスカル役は龍 真咲、アンドレは明日海りお(この二役は、日によって役替わり)。

宝塚歌劇をちゃんと見るのは、物心がついてからは初めてである。ハマる人とハマらない人が極端に分かれるTAKARAZUKA。果たして、どんなものか。

宝塚大劇場幕が開く。派手派手なステージで、タカラジェンヌ達が歌いだす。開始からしばらくは、ただただ「ベルサイユのばら」がどうしたこうしたと歌うだけで、物語が進まず、どうなることかと思ってしまう。やがて、冒頭の歌と踊りが一段落して、物語が動き出したが、登場人物のセリフが、一々説明調なのが気になる。背景や人物設定を、説明調のセリフで処理するというのは、映画や小説だったら、最もダサい演出の一つだろう。もちろん、池田理代子先生の大長編を2時間半の舞台に収めるのだから仕方ないと思うし、この辺は、宝塚に限らず、私が舞台演劇に馴染んでいないが故の感想かもしれない。

さらに、がっかりだったのが、音楽。完全に歌謡曲テイスト。それも、1974年初演だけに、かなりベタな歌謡曲。フランスが舞台なのに…。唯一、終盤のバスティーユ監獄での戦いの場面で、ラ・マルセイエーズの旋律が出てきたところだけは、盛り上がったが。芝居の途中でいきなり登場人物が歌い・踊りだすのは、インド映画で慣れているのだが、圧倒的にご陽気でど派手なインド映画ダンスシーンに比べると、音楽のつまらなさも、ダンスの地味さも、どうにも、しょぼい感じなのである(まあ、宝塚の舞台を地味と思ってしまう、インド映画慣れした私の感性が問題のような気もするが)。

最後に驚いたのは、銃弾に倒れたオスカルとアンドレが共に馬車に乗り天空を駆け、大団円となった直後から、その余韻に浸る間もなく、歌謡ショー的な展開になったこと。ドラマ的にOKなのか?

ということで、残念ながら「こんなものか」感の強い宝塚鑑賞となってしまった。なお、初日と楽日以外は、アンコール無しで、すっと終わるのがお約束というのも、実際に足を運んで初めて知った事実である。「すみれの花咲く頃」は聞けなかったのである。

それでも、TAKARAZUKAの本拠地に乗り込むのは、野次馬的には何かと興味深かった。特に、終演後、多くのお客さんが口々に、以前の「ベルばら」との演出の違いなどを語り合っているのは、さすが、総本山に集結するファン。皆さん、詳しいし一家言持っておられるようだ。なお、私が鑑賞したのは、まだ開演二日目の公演。今後、公演を重ねていくと、仕上がりはかなり変わってくると思われる。その頃に見たら、また違う印象になっていたかもしれない。



帰省中は、朝寝して、午後、マクドナルドで100円コーヒーを飲みながら、無線LAN→VPNで会社のサーバーとつないで軽く仕事という規則正しい日々でした。これぐらいのんびりしたペースで普段も仕事が出来れば良いのですが、そんな訳には行きませんわな。