IN/OUT (2012.12.23)

何かそういう呪いにかけられているのではないかと思うほど、靴紐が(革靴でもスニーカーでも)すぐにほどけてしまうことに長年困っていたのですが、ついに呪いを解くグッズを入手。アズマ工業株式会社製「靴ヒモキープでシュー」。粘着樹脂を結び目にスプレーするという商品なのだが、これ、秀逸です。


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"Skyfall"12.12.22

007の、シリーズ製作50周年記念作を観てきた。

Daniel CraigをJames Bondに抜擢し、ハードでシリアスな作風に路線変更されてから、これが三作目。その集大成にして、50周年記念にふさわしい傑作だ。

50年の歴史を経て、世はデジタル時代。果たして、いまだに生身のスーパー・スパイが活躍する場所は在るのか、という視点の物語は、暗く、重い。敵役が、世界征服のような荒唐無稽な目的で行動するのではなく、私怨にかられ、Mの命を狙うという設定も、渋い。しかも、この敵役を演じるのが、Javier Bardem。"No Country for Old Men"での怪演を思い出させる、なんとも不気味な存在感だ。そして、Bond自身は、中年の古い世代のスパイとして描かれる。ラストの決闘の場となるスコットランドの暗い空も、そういった暗さ、重さを際立たせているようだ。

一方で、007シリーズの伝統とお約束は、きちんと継承しているところが手堅い。Adeleの歌う主題歌は、まさに007テイストの名曲。若返ったQの活躍。そして、007ファンなら燃えること間違いなしなのが、Bondがアストンマーチン・DB5に乗り込むシーンだ。"Goldfinger"などでも登場した、クラシックかつ正統派の「ボンド・カー」。バックに流れるのは「ジェームズ・ボンドのテーマ」。完璧。あと、個人的にはMiss Moneypennyの復活が、非常に嬉しかったりする。

伝統あるエンターテインメント・シリーズに、重いテーマを加えて、より深い作品に仕上げるというのは、Christopher NolanによるDark Knight三部作に通じる趣だ。最近のハリウッドの流行と言えそうだが、ちゃんと水準以上の作品に仕上げてくるところ、Sam Mendes監督の手腕が冴えている。まあ、そうは言っても、敵役でJawsが登場してくるような能天気な007も、もう一度見てみたい気もする。



部屋の中を整頓しきれない呪いに効くグッズはないものか、いや、それよりも会社の業績に掛けられた呪いを解けないのかと考える、今日この頃です。