IN/OUT (2012.7.22)

季節の移ろいにデジタルな線引きは不可能とは分かっていても、今年の関東地方の梅雨明け宣言はフライングだったなぁ、と思う今日この頃です。


in最近のIN

「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」12.7.16

横浜美術館奈良美智の個展を観に、横浜美術館へ行ってきた。

とにかく、とても楽しい展覧会だった。少年ナイフの傑作アルバム「Happy Hour」のジャケットで知って以来、奈良美智の作品は大好きなのだ。今回の大規模な個展は、全て新作で構成されていると聞き、観る前からテンション高く出かけてきたのだが、その期待を軽く上回る充実した展示だった。

会場に入って最初に目に飛び込んできたのは、重量感あるブロンズ彫刻の数々。奈良氏の展覧会と言うことで、ポップで軽い雰囲気を予想していたところに、意外性のあるインパクトだ。彼が大型のブロンズ彫刻を手がけたのは、これが初めてと言うことだ。特に、重量感と浮遊感が不思議に同居した「真夜中の巡礼者」が印象深い。次の展示室、昨年の水戸芸術館現代美術ギャラリーでの展示を元にした、キッチュな小物が並ぶミクストメディアのコーナーも楽しい。

そして、そこからは、奈良氏らしい絵が並ぶ、並ぶ。質・量とも素晴らしい。ロック・ミュージックが聞こえてきそうな彼の作品に囲まれていると、自然に笑顔になってしまう。メイキングが紹介されているコーナーもあったが、一度描いたキャンバスの上から、何度も重ねて描いていき、元の絵とは全く違う作品に仕上げていく過程なども興味深い。

一通り見終わり、ついでに横浜美術館のコレクション展の方も覗いてみると、こちらにも、美術館所蔵の奈良作品が何点も展示されている。先ほどの新作群と見比べるお楽しみも味わえるのだ。こうやって観ると、奈良氏のトレードマーク、反抗的な表情の少女達は、今回の新作では平均年齢が上がっているような気がする。こういう見方が出来るのも楽しい。

ということで、実にハッピーな気分になれる展覧会だった。



out最近のOUT

マンゴーに裏切られた12.7.17

突然、顔面の皮膚に異状を感じるようになった。頬から下全体が、熱を持って痛痒い。鏡で見ると、日焼けしたかのように赤黒くなっている。原因に心当たりが無く、皮膚科の病院に行ってきた。

医師は、一目見て、「何かにかぶれたようですね」との宣告。しかし、特にかぶれるような物に接触した記憶が無いと答えると、「最近、マンゴーを食べましたか?」と、予想外の質問。

この医者、サトルの化け物か! この週末、「ココナッツミルクのブラマンジェ マンゴーソース添え」を自作し、まさに生のマンゴーを加工し、食したばかり。すると医師は「マンゴー皮膚炎」なるものが存在すると言う。マンゴーというのはウルシ科の植物で、ウルシと同様、接触性皮膚炎の原因となる物質が含まれているそうだ。そして、食べて数日経ってから、発症・悪化することも多いという。パッチ・テストまで受けることはしなかったが、状況と症状から判断して、マンゴー皮膚炎で間違いなさそうだ。ステロイド軟膏と抗アレルギー剤を処方してもらう。完治まで(途中でマンゴーをつまみ食いしなければ)10日間ほどかかるらしい。

シンガポール在住時は安かったこともあり、マンゴーはしょっちゅう食べていた。完全に好物の部類だし、いくら食べても問題が生じることは無かった。しかし、体質が変わるのか、突然、感作するようになることがあるそうだ。原因となる物質(マンゴール)は、皮に近いところに多いらしいので、素手で皮を剥くことをせず、中心に近いところをお上品に口に運べば、あるいは接触性皮膚炎にならずに食することも可能かもしれない。あるいは、マンゴープリンなら大丈夫か? など色々考えるが、今は自制すべきだろう。しかし、あの甘美なマンゴーへの接触を一生断たれたるのも悲しい。その内、自ら人体実験してしまいそうだ。



接触性皮膚炎発症中のアルコール摂取は、痒み倍増のリスクを伴うと言うことで、こちらも自制。色々、辛い。