IN/OUT (2011.10.2) |
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近くの水辺にユリカモメがやってきました。いよいよ秋本番。 最近のINProjection Mapping + Performance Vol.1「白夜 -BYAKUYA-」 (11.10.1)原美術館で開催された、プロジェクション・マッピングとダンスを組み合わせたパフォーマンスを観てきた。 プロジェクション・マッピングとは、立体物に映像を投影し、その立体物の表面を変化させる手法。大規模な屋外でのイベントや広告などで注目を集めている。写真は、開演前の様子。原美術館の中庭がステージになり、奥の建物に映像が投影されているのだが、見ての通り、ドアや窓もそのまま。スクリーンは用いず、建物をそのまま使っている。果たして、どのようなパフォーマンスになるのか、この時点では全く予想できなかった。 夜7時、本番開始。奥秀太郎が手がけるモノトーンの映像が投射され、原美術館の中庭は幻想的な空間になる。そこに登場するパフォーマー達。一応、ストーリー仕立てになっているのだが、筋立てそのものは、小劇場っぽい感じでそれほど感心するものではなかった。しかし、ヴィジュアルが予想を遙かに超えていた。映像を投射された建物は次々と変化し、古い教会になり、パン工場になり、京急の駅になり、夜の街角になる。元々のドアや窓を活かす工夫も見事だし、巨大な教会の鐘を出現させるなど、観客を驚かせる仕掛けも巧い。これだけ大規模な映像を高解像度で投影するのだから、技術的にもかなり高度なことがなされているのだろう。 その空間で躍動するのが、コンテンポラリー・ダンサー 黒田育世だ。チャド・マレーン(あの吉本芸人が、今回は笑い無しで出演)ら、他の登場人物が皆、演劇的な動きをしている中、一人、縦横に踊る彼女の存在感が素晴らしい。芝生の上を駆け巡り、時にコミカルな動きを見せ、いきなり屋上に現れ度肝を抜く。松本じろによる音楽との相性も良く、ダンス・パフォーマンスとしてだけでも、十分に素晴らしいものだった。 ということで、一時間半ほどの映像とダンスを堪能した。原美術館という器を徹底的に活用した演出で、まさに、この場・この時でなければ体験できないパフォーマンスだったと思う。また、プロジェクション・マッピングが持つ可能性にも興味津々である。 季節が徐々に移ろうというより、いきなり変わったという感じです。それでも、夏の名残で、夕暮れ時の原美術館には、結構、ヤブ蚊もいたりしましたが。 |