IN/OUT (2011.9.25)

地球温暖化のせいか、異常気象というのが通常になってしまった感のある近年ですが、「暑さ寒さも彼岸まで」の格言だけは、まだ健在ですね。


in最近のIN

"The Ward"11.9.19

John Carpenterの新作を観てきた。邦題は「ザ・ウォード/監禁病棟」。因みにオープニングに映るタイトルは、いつも通り、監督の名前入り"John Carpenter's The Ward"。彼の映画が大好物の私としては、これを見ただけで燃えてくるのだ。

精神病院の隔離病棟に閉じ込められたヒロイン。深夜、院内をうろつく謎の影。冷酷な看護師と何かを隠しているような医師。次々と消えていく他の入院患者達。ストーリーや演出だけでなく、フィルムの画質やBGMの雰囲気も含め、21世紀の作品とは思えないクラシックなホラー映画の趣だ。Carpenter監督は、TV仕事を除けば、9年ぶりの映画だが、気負うこと無く、堂々たるB級映画での復活である。

一応は、意外な結末が待つホラー・ストーリーということになるのだろうが、早い段階で、伏線というか、ネタがピンとくるような科白が出てきて、おやっ? と思っていたら、その通りの結末になってしまう。なまじ、最新のデジタル技術によるハリウッド式演出を施したら失敗作になってしまいそうなシナリオだが、アナログ感溢れる映像と、Carpenterならではの、どこか徹底的に醒めて突き放すようなドライさを感じさせる演出が、独特の雰囲気の作品にしていると思う。

巨匠Carpenterの復活作なのに、都内の上映館が二つだけというのが寂しい。その内の一つ、銀座シネパトスで観てきたのだが、ここは地下にあって、決して綺麗とは言えず、上映中に地下鉄の振動が聞こえてくる場末感溢れる映画館だ。ナウなヤングがアベックで来ることなど、まず無さそうな所である。まあ、Carpenterの新作を封切るのは相応しいという気もする。とにかく、次回作を是非とも早く撮ってもらいたい監督なのだ。


「ヨコハマ トリエンナーレ 2011 "OUR MAGIC HOUR"11.9.24

横浜美術館横浜で開催中の、3年に一度の現代アートのイベントを観に、メイン会場の横浜美術館と日本郵政海岸通倉庫に行ってきた。

横浜美術館に来るのは、これが始めてだ。みなとみらい地区に建つ、想像以上に大きな施設で、市制100周年を記念した横浜博覧会を機に建てられたそうだ。入り口広場には、その作品名"OUR MAGIC HOUR"が展覧会のタイトルにも使われたUgo Rondinoneの立体造形が並んでいる。三連休の中日、当日券売り場にはかなりの行列が出来ていた。

YIN Xiuzhen屋内に入る。メインの展示室は二階。絵画・インスタレーション・生身の人間によるパフォーマンスと、盛り沢山の内容だ。特に、James Lee Byarsのパフォーマンス"Five Points Make a Man"(これは、主催者が、観客の動線を十分に考慮しないレイアウトにしたせいで、作者の意図が伝わりきっていないと感じた。勿体ない!)、Mircea Cantorのフィルム"Tracking Happiness"(展覧会のポスターに使われている、ほうきで白い砂を掃く女性達。最後まで観ると、おぉーっ!と唸ります)、八木良太によるLPレコードのターンテーブルをロクロに見立てた複合的な作品などが印象深い。質・量ともに、とても充実した展覧会だと思う。

Tobias REHBERGERただ、観ているこちらに、いまいち高揚感が湧いてこない。個人的印象だが、施設があまりにも立派で威厳に溢れているのが逆効果のようだ。なんだかワクワク感が抑えつけられるような感じ。観客が多すぎた(しかも、泣き叫ぶ幼児連れが多かった…)せいもあったのかもしれないし、観客の動線分析が不十分と思われるレイアウトのせいもあるだろう。

DEWAR & GICQUELということで、若干の不完全燃焼感を持ちつつ、無料シャトルバスに乗りもう一つの会場、日本郵政海岸通倉庫へ。ここが素晴らしかった!

古い倉庫をそのまま使っているので、フロアの真ん中に、赤ペンキで耐荷重XXKgと書かれた無骨なコンクリートの柱が何本も建っている。そこに、荒っぽい空間に負けないパワーを持った作品が並んでいて、しかも、その内のいくつかは観客参加型の作品だ。建物の雰囲気、展示物の力強さ、そして楽しさが調和した空間になっていると感じ、3年に一度の現代美術のお祭りらしい雰囲気は、こちらの会場にこそ凝縮していると感じた。もちろん、その前提として、立派なメイン会場での展示があってこそだとは思うが。

落合多武寝坊して出かけたので、黄金町などで開催されている特別連携プログラムの方に足を運ぶ時間が無かったのが残念だ。次回は是非、と言っても三年後かぁ…



三連休は、溜まっていた家の用事を片付け、イベント事に出かけ、休息も取れるという、毎月一度は欲しい休みのパターンだと思います。ただ、実際に三連休に突入してみると、結局、ぐずぐずしている時間が長く、正味二日分ぐらいしか活用してないかも。