IN/OUT (2011.8.13)

先週のロック・イン・ジャパン参戦で、同僚達に冷やかされるほどに日焼けしてしまいました。日頃、徹底してインドア派なのに、慣れないことをするもんじゃないです。


in最近のIN

「和田誠展 - 書物と映画」11.8.13

和田誠氏の書物と映画に関わる創作を集めた展覧会を観に、世田谷文学館に行ってきた。施設は、京王線 芦花公園駅から歩いて5分ほど。錦鯉が泳ぐ日本庭園(お隣の老人ホームのお庭らしい)に面した、モダンな建物である。さっそく、二階の展示室へ向かう。

和田氏が装丁した本、自ら作成された絵本、挿絵、演劇や映画のポスター、監督した映画の絵コンテ、さらに仕事場の写真など、こぢんまりした会場ながら、充実した展示が並ぶ。それぞれに、和田氏自らのコメントが付いているのが、嬉しい。あの独特のタッチのイラストばかり印象にあったが、中央公論新社の「村上春樹翻訳ライブラリー」の写真を使った装丁も和田氏の仕事だったのか、など、ちょっとした驚きもあり、見飽きない。

そして、13時半から、本日のメイン、「映画上映会&トークイベント」である。和田氏が監督した1994年作品、「怖がる人々」を上映し、その後、和田誠氏&安西水丸氏の対談という、夢のような企画。ハガキで申し込んだときは、当選するか冷や冷やものだったが、無事、参加資格を得られたのである。

映画は、5本の短編からなるオムニバス。タイトル通り、怖い目に遭う人々を描くのだが、スプラッタとか幽霊とかは無縁の、ちょっとブラックユーモアの入った作品だ。残念ながら、和田氏の監督作の中では、あまりヒットしなかったそうで、DVD化もされていないようだが、中々、丁寧に作られた映画だと思った。

30分の休憩後、メイン中のメイン、トークイベント。日本の二大イラストレーター(さらに、私的に言えば、お二人とも村上春樹氏と深いつながりがある!)を生で観られる貴重な時間だ。水丸氏は、「怖がる人々」が大好きで、今でも、しばしばビデオでご覧になるそうだ。あまり準備せずに来たというお二人だが、この映画について、和田演出の細かな裏話を色々聞くことができた。画面にちらっと映る新聞の片隅に、和田氏がそのために書き下ろした四コマ漫画が印刷されているとか、5本の作品全てに同じメロディーが流れている(登場人物の鼻歌だったり、BGMだったり。もちろん、才人、和田誠氏自らの作曲)とか、この対談後、もう一度見てみたくなるお話ばかりだ。ただ、今日は、あくまでも和田氏が主役ということで、水丸氏が徹底して聞き役に回り(村上春樹氏による描写などから、もっと無頼な人かと想像していたが、大人の紳士でした)、話題も映画のことから逸脱しないようにされていたのが、もっと色々期待していた私には残念ではあった。いずれにせよ、良いものを見せてもらった。



まだ、鼻のてっぺんが焦げた状態ですが、この日曜も終日イベントへ。その日の内に更新するのはしんどそうなので、それは後日。今週は普段より一日早く更新しちゃいます。