IN/OUT (2011.5.29)

先週の目覚まし時計に続き、今週はHD/DVDレコーダーのリモコンが故障。メーカーでは消耗品扱いになっていて修理対象外ということで、現在、取り寄せ中、その間、最低限の機能しか使うことができません。かなり不便。リモコンで操作できることは全て、本体だけでも操作できるようになっていて欲しいと思うものの、最近のAV機器は機能が豊富すぎて難しいのでしょうね。


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塩麹まみれの日々11.5.29

ネットなどで話題騒然の調味料「塩麹」に手を出してしまった(塩麹の詳細は、バイブルとも言える『麹のレシピ』の著者、おのみささんのブログ『糀園』で)。

麹に塩と水を加えただけのシンプルな調味料である。そんな単純なものが、本当に美味しいのなら、(同じく麹を用いる味噌や醤油と同じように)もっとメジャーになっているはずだと、作る前は半信半疑だったのだが、中々どうして、塩麹、大した実力者なのだった。

作り方は、米麹に、30%の塩と水(生麹なら麹と同量、乾燥麹なら1.5倍)を加え、寝かせるだけ。寝かせている間、常に水がヒタヒタになっているように注ぎ足すべしという人もいるのだが、私の試した範囲では、最初に水を入れたら、あとは加水せず、熟成が進むんで自然に麹の粒が柔らかくなり、水気が出てくるのを気長に待つ方が良いと思う。10日間ぐらいで、麹がお粥状になり、塩気が丸くなったら出来上がり。

これを、野菜にまぶして一晩置けば、浅漬けに。湯通ししたキノコにまぶして数日置いた塩麹キノコは、卵焼きに混ぜると美味。刺身にのせて、オリーブオイルをかければ、カルパッチョ風に。と、使い道は色々あるが、これまで試した中では、豚スペアリブにまぶして一晩置いてオーブンで焼いたものが絶品。塩麹だけで、塩気とかすかな甘みが付くだけでなく、含まれている酵素が作用するのだろう。肉が柔らかくなり、脂肪は風味が増し、今まで、あれこれ調合してスペアリブの漬け汁を工夫していたのが馬鹿らしくなる美味しさだ。また、水切りした豆腐にまぶし、ラップにくるんで放置すると、5日目ぐらいでクリームチーズのようになり、さらに10日を過ぎると風味がますます濃厚に。これも酒の肴に抜群なのである。

ということで、様々な食材を漬けては食す実験を繰り返す日々なのである。ただ、市販品を見かけることがない調味料なので、この出来上がりで正解なのか、明確に分かっている訳で無い。塩麹造り自体も、水の量、温度、塩分濃度、かき混ぜる頻度など、試行錯誤が続く。これが楽しい。毎日、発酵が進み、少しずつ変化していく姿を見るのは、「育てている」という実感を伴うのである。

これまでは乾燥麹を使っていたが、今週は神田明神の側にある天野屋で生麹を購入。乾燥麹とは風味が全く違うので、この後、熟成が進んでどうなるのか楽しみだ。


"The Adjustment Bureau"11.5.28

Philip K. Dick原作、Matt Damon主演の映画を観てきた。邦題は「アジャストメント」。なお、Dickの原作短編小説のタイトルは"Adjustment Team"で、邦題は「調整班」。映画の邦題も、「調整局」とかにした方が、良かったように思うのだが…

沢山ある「原作:Philip K. Dick」映画と同じく、この作品も原作とはかけ離れた内容になっている。共通するのは、「人の運命を調整する組織」という基本アイディアと、主人公の名前ぐらいだ。結局、Dickの小説は、人を惹きつけるアイディアが詰まっているものの、そのままハリウッド娯楽作にするにはストーリーの改変が必要ということだろう(原作に忠実に映画化してしまうと、"A Scanner Darkly"のような、観る人を選ぶカルト作になってしまう = 私的にはこっちの方が好ましいが…)。

自分の運命を知り、さらには調整者達の存在まで知ったのに、主人公のリアクションが小さすぎるとか、あまりにも単純な西欧中心の歴史観とか、ヒロインの元カレの扱いが可哀想すぎるとか、目くじらを立て始めたらキリが無い、ツッコミどころ満載の映画なのだが、憎めない。好感を持てる最大の要素は、あまり風呂敷を拡げすぎず、運命に逆らって理想の彼女との恋を貫けるかの一点に絞った脚本だ。また、Matt Damonが、こういう巻き込まれ型サスペンスが似合うのは当然として、ヒロインのEmily Bluntの存在感が、作品の雰囲気に良く合っている。宣伝などでは「SF大作」と勘違いしそうだが、B級の快作と言うべき作品だろう。



その他にも、サラウンドシステムの電源が壊れたり、蛍光灯が切れかかっていたりと、家中のあちこちにガタが来はじめた今日この頃です。