IN/OUT (2011.4.24)

4月前半には、これで今年の花粉は峠を越えたかと思っていたのですが、再び花粉症悪化。今年は、スギよりも遅れて花粉をまき散らすヒノキの方が、強力みたいです。


in最近のIN

"Tony Kaye & Billy Sherwood play YES and more" at STB13911.4.23

元YESのメンバー二人の公演を観に、六本木のライヴレストラン「スイートベイジル 139」に行ってきた。

YESというのは、やたらとメンバーの出入りが激しく、さらに一時期、二派に分裂し正当性を争う南北朝のような時代があったりしたバンドなのだが、キーボードのTony Kayeは、1968年、YES結成時のオリジナル・メンバーである。初期の三枚のアルバムに参加した後、バンドを離れていたが、1983年の大ヒット・アルバム「90125」で復帰(後に、再び脱退。解雇という噂も)。一方、ギターのBilly Sherwoodは、1989年頃からサポートメンバーとしてYESに関わりはじめ、1997年から2000年頃、正式メンバーになっていた。二人がYESの正式メンバーに同時に名を連ねていた時期は無いのだが、巡りめぐって現在では、「CIRCA」と「YOSO」という二つのバンドで一緒にプレイしている関係である。

オリジナル・メンバーではあるが、イエスの中で、Tony Kayeの影は薄い。あのバンドのキーボーディストとして最初に名前が挙がるのは、間違いなくRick Wakemanだ。もしかしたら、アルバム一枚にしか参加していないPatrick Morazの方が、Tony Kayeよりも支持を受けているかもしれないとすら思う。演奏の巧拙ではなく、華が無いという感じなのだ。一方、後期のバンド活動が迷走していた時期に参加したBilly Sherwoodについては、YESファンの中でも、かなりコアな人じゃ無いと名前を知らないと思う。そんな二人の公演でも、YES印が付いていれば観に行ってしまうのが、好き者のサガである。

ステージ上には、キーボードのTonyと、ギター&ヴォーカルのBillyの二人だけ。それ以外は、事前に二人でスタジオにこもって製作したというカラオケでの演奏である。ただ、カラオケといっても、きっちり作り込まれたサウンドで、そこに、手練れの二人の生演奏が絡むと、かなりのクオリティだ。特に、Billyはギターもヴォーカルも見事だし、カラオケの大半のパートもマルチ・プレイヤーである彼の演奏だと思われる。悪く言えば、器用貧乏という気もするが…。YESの曲だけでなく、Billyのソロ作品や、CIRCAの作品なども多く演奏していたが、音色にYESのDNAが感じられ、結構、楽しめる。

ただ、客の大半が望んでいるのは、YESナンバー。ということで、"I've Seen All Good People"、"Owner of a Lonely Heart"、"Wonderous Stories"など、懐かし曲も、きちんと演ってくれた。しかし、特に初期の作品は、Jon Andersonのヴォーカル、Steve Howeのギター、Chris Squireのベースが揃わないと、どうも微妙な感じになってしまう…。もちろん、それを承知で聴きに来ているのだから、文句を言う筋合いでは無い。それでも、アンコールの最終曲が"Roundabout"だったのは、残念。これがYESの代表曲なのは分かるが、二人のどちらも在籍していない時期の作品ではないか! Tony Kaye在籍時の傑作"Starship Trooper"を期待していたので、これには、がっかりだった。

微妙な残念感もある公演だったが、小さなハコで、至近距離で体感するYESサウンドは楽しくも有り。さらに、こういう時期に来日ツアーを敢行した事自体に、敬意と感謝を捧げたい。会場内で聞こえてきた話だと、初日の高知公演では観客総数 9人だったということだが(お二人の知名度と時期を考えれば、信憑性は高そうだ…)、応援してあげたくなる二人である。



平均樹齢的に、今後はヒノキ花粉の勢いが増してくるという話も聞きますが、スギより高級感がある木材なんだから、どんどん伐採すれば良いのに、というのは、林業の実態を考慮しない短絡的発想なんでしょうね。