IN/OUT (2011.3.27)

スーパーマーケットの商品棚から消えてしまったパン、米、卵、牛乳など、大分戻ってきましたが、まだ、日によって有ったり無かったり。ボトル入りの水は、ほぼ入手不可能。取りあえず買い溜めしておきたくなる人の心理も理解出来る今日この頃です。もちろん、実際に買い溜めに走ることはしない矜恃は保ちたいものですが。

それ以上に困るのが、節電のための営業時間短縮。平日の残業後に立ち寄れる店が減ってしまったのが、結構な痛手です。


in最近のIN

"Never Let Me Go"11.3.27

カズオ・イシグロの小説の映画化作品を観てきた。邦題は、小説と同じく「わたしを離さないで」。

原作は、イシグロの著作の中で最も売れた本かもしれない。確かに、ミステリめいたストーリー、衝撃的とも言える設定など、彼の作品としては「アピールする要素」が多いと思う。ただ、私が感じているカズオ・イシグロ作品の魅力=「信頼できない語り手」によって醸し出される不条理感、が感じられず、個人的には、イシグロのベストには挙げられない小説である。逆に、そうした特徴は、映像化には向いているだろう。

果たして、映画化作品は、イシグロ自身がエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねていることもあってか、小説の雰囲気を見事に伝える仕上がりになっていた。ミステリやSF的な要素を抑えた無駄の無い脚本が良いし、三人の中心人物、Carey Mulligan、Andrew Garfield、Keira Knightleyの演技も素晴らしい。抑制の効いた色彩設計も原作のイメージと合っている。彼の小説が好きな人には、安心して薦められる佳作だ。

もし、この設定で、ハリウッドがオリジナル脚本を作ったら、全く違うストーリー(アクション要素も有り)になりそうだ。徹底して抑制の効いたところが、英国的かつ日本的という感じで、日本生まれの英国人作家のイシグロだからこそ持ち得た世界観なのかもしれない。



こんな時こそ、お笑いを。ということで、"Weird AL" Yankovicの"the Ultimate Video Collection"を購入。

"Eat It"

"Fat"

など、秀逸なパロディ作品24本収録。上記の他にも、個人的に一番好きな"I Love Rocky Road"や、アイディアに唸らされる"Bob"など、MTVにハマったことのある人は必見・必笑。一発屋ではなく、いまだに現役で頑張っているところも、素晴らしい。