IN/OUT (2011.3.20)

勤務地も居住地も計画停電の対象外となっているため、日常生活に大きな支障は無いものの、相変わらず増え続ける犠牲者数や被災地を襲う寒さの報道、予断を許さない原発の状況、他事業所の計画停電による業務の混乱、スーパーマーケットから消えた米・パン・牛乳等々、落ち着かない一週間でした。もっとも、当面の最大の悩みは、放射線よりも花粉の方ではあります。

大地震は、我々の価値観も揺さぶるようで、デーブ・スペクターのジョークが素敵に思える一週間でもありました。


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「シュルレアリスム展 ―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―11.3.20

国立新美術館に出かけてきた。多くの美術館が休館している中、ここは16時までの短縮時間ながら、オープンしている。「シュール」という言葉が一般的に使われるほど人気のジャンルということもあるだろうし、他の娯楽施設が軒並みクローズしているためでもあるのだろう、会場は盛況だった。

質・量共に、さすがの規模である。シュルレアリスムというと、ダリやマグリットの、不条理な光景を写実的に描いた作品の印象が強いが、この展覧会では、自動筆記やコラージュといった手法を用いた抽象画的な作品も多く、この運動の全体像が俯瞰できる展示になっている。さらに、ブニュエルの「アンダルシアの犬」など、映像作品の上映もある。昼過ぎから出かけたため、16時閉館だと最後は駆け足になってしまう、盛りだくさんの展示だった。

感心したのは、音声ガイド。iPod風の端末には、音声だけで無く画像も映し出されるようになっていて、さらに分かりやすくなっている。500円という値段は、ちょっと高いような気もするが、これも含めての入場料金と割り切って、利用しない手は無いだろう。

また、国立新美術館のサイトでは、「リサとガスパール」によるシュルレアリスム入門という企画もあり、なかなか力の入った展覧会だ。



今はまだ騒然としていますが、この先、被災地からの報道が減った後も、継続してサポートすることが大切なんだと阪神・淡路大震災の経験から思う今日この頃。あと、街頭募金に立っている若者達に対し、(善意は分かるんだけど)そのエネルギーを別の活動に使えと、イライラする今日この頃でもあります。