IN/OUT (2011.2.13) |
|
先月、恵比寿ガーデンシネマが閉館したのに続き、シネセゾン渋谷も今月で閉館するというニュースに、失望を隠せない今日この頃です。特に、シネセゾン渋谷は、ヘンな映画を上映することが多く、面白い映画館だったのに… 最近のIN"Suck" (11.2.10)カナダのロック&コメディ映画を観てきた。 売れないロック・バンドの女性ベーシストがヴァンパイアに魅入られ、自らもヴァンパイアになってしまう。いきなりカリスマ性を帯びた彼女の魅力でバンドの人気は急上昇するが…。果たしてバンドの運命は?、という一発アイディアを、監督兼主演のRob Stefaniukが、低予算で映画化。ストーリーに捻りは無いし、特撮もショボい。ショッキングな場面でも特殊メイクにお金を掛けていないので、直接的な描写が無い。結果、スプラッタ・シーンが苦手な人にも安心…。B級どころかC級と言ってもいいような作品だ。 しかしこの作品、脇役陣が豪華すぎる。この騒動の黒幕がAlice Cooper。さらに、Iggy Pop、Moby、Henry Rollinsといったミュージシャン達が、それぞれ適役で登場。ヴァンパイア・ハンターに扮するのがMalcolm McDowell! ついでに、Alice Cooperの娘さんCalico Cooperも出演。 ミュージカル並に、全編、ロック・ミュージックが流れっぱなし。選曲のセンスも良いし、主人公達の演奏曲が意外にカッコ良し(人気が出てからの曲が、ちょっとポップになっているところなど、分かってる!という感じ)。The BeatlesやThe Whoの有名ジャケットの再現シーンもロック好きの心をくすぐる。低予算を逆手に取った演出も、結構計算されているようだ。憎めない小品として印象に残る映画だった。 "KG" (11.2.13)久しぶりに邦画を観ようと思い立ち、新宿まで行ってきた。鑑賞したの"KG"= 「カラテ・ガール」。 しかし、これ、映画としては、ゼロ点としか言いようのない駄作だった。ストーリーも人物造形も役者の演技も、学生の自主製作の方がよっぽど気が利いていると思えるようなレベルだ。 ただ、入場料に見合った価値が無かったかというと、そんなことは無い。主演の武田梨奈嬢のアクションのキレが尋常ではなく、共演の飛松陽菜嬢の動きも凄い。全編、ノーCG、ノー・ワイヤーアクションということだが、さすが琉球少林流空手道 月心会の有段者だ。あまりに強すぎて、全くハラハラしないのが商業映画としてどうか?という気もするが、ここまで見事なカラテ・シーンを見せられると、それだけで元は取ったという感じ。 製作陣は、彼女らのアクションを見せることだけが目的と割り切っていたのかもしれないが、もう少し、万人に評価されるような作品にしてあげないと、梨奈嬢の才能がもったいないと思うのである。 雪交じりの連休初日。渋谷シアターNのレイトショーには10名。確かに単館系の映画館の経営は苦しそうです。 一方、"KG"の上映館には、あの「新宿タイガーマスク」が観に来ていました。扮装が派手なだけで、実は単なる映画好きの新聞配達員という噂も聞いていましたが、まさか同じ劇場で遭遇するとは! 映画が始まると、やはり画面が見づらいのか、仮面は外していたみたいです…。あの扮装で随分長いことご活躍のようですが、最近の「伊達直人現象」をどう感じていたのでしょうかね? |