IN/OUT (2010.8.15)

Angelina Jolie主演のスパイ大作を観てきた。

冒頭から、スピーディーな展開。誰が良い側で、誰が悪役なのか読めないストーリー。Angelina Jolie自ら体を張ったアクション。ラストで明らかになる意外な真実。カウントダウンが進む中、果たして、主人公は世界の危機を救えるのか…。とりあえず、アクション娯楽作の要素をたっぷり詰め込んだ大作ではある。特に、Angelina Jolieのアクションは、絵空事ではなく、生々しい痛みすら感じさせる見応えあるものだ。

しかし、映画自体は、愚作と言わざるを得ない。設定も、ストーリー展開も、あまりにも粗っぽく、現実離れし過ぎだ。もう少し笑いの要素がある作品なら、苦笑交じりにつっこむところだが、ハードな展開で押す本作では、粗っぽさがそのまま欠点になってしまう。

ロシアの二重スパイが物語の重要な設定になっているのだが、あまりにも時代錯誤で、本来なら、21世紀の大作映画で本気で取り上げるのは失笑物だと言いたいところだ。しかし、つい最近、米国で、11人のロシア・スパイ団が逮捕される事件があったばかりだ。しかも、その中には、ネット上でも話題になった「驚くほど美しい女スパイ」もいた。事実がフィクションを模倣したのか？　いや、そのあまりにもお粗末なスパイ団の行動から、この映画の宣伝のために仕組まれた事件ではないかという穿った見方もあるという。私も、SONY PICTURESだったらそれぐらいやりそうだという気がしてきた。