IN/OUT (2010.6.20)

なんやかんや言って、みんな、サッカー日本代表のことが気になっていたんだなと実感する今日この頃です。


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"The Book of Eli"10.6.19

Denzel Washington主演の映画を観てきた。邦題は「ザ・ウォーカー」。

世界を破滅させるような戦争から30年。荒廃した大地を、一冊の本を携えて歩き続ける、謎めいた男。事前には、彼が持つ「本」の正体が謎の中心になるストーリーかと思っていたのだが、全くそんなことはなく、原題 "The Book of Eli"から想像がつく通りの、意外性のない「本」だった。物語も基本的には単純な話だ。色々と穿った見方もできるが、かなり怖い価値観をはらんでいると思う。

描き出される未来は、「マッドマックス 2」的な、暴力が支配する世界。悪人が仕切る宿場町に凄腕の風来坊が乗り込んで来るところ、さらに、Denzel Washingtonが見事な殺陣を見せるアクション・シーンは、西部劇や黒澤明の時代劇へのオマージュのようでもある。悪く言えば、どこかで観たことがあるような場面が多いのだが、ただ、見せ方が巧い。

ある時はセピア色がかり、またある時は緑色がかる画像は、実写映像でありながら、徹底的に色調を加工してある。構図のこだわりも、アメリカンコミックの絵を見ているようだ。そこに被さる、歪んだギターサウンド(音楽は、Atticus Ross。Korn、Pink、Nine Inch Nailsなどと仕事をしてきた人らしい)。実にスタイリッシュだ。

監督は、Hughes兄弟。次のプロジェクトには、あの大友克洋の傑作「AKIRA」の実写映画化が控えているそうだ。このスタイルで映像化されるとしたら、ものすごく期待できそうである。



仕事がらみで暗い雰囲気になっても、とりあえずワールドカップの話で話題転換できるのはありがたい限り。日本代表にはなるべく長く勝ち残っていただきたいところです。