IN/OUT (2010.5.23)

何やかんやとあって、先週は更新が飛んでしまいました。


in最近のIN

"Burma VJ: Reporter i et lukket land"10.5.22

2007年のビルマ反政府デモを扱ったドキュメンタリー映画を見てきた。製作国はデンマーク。英語タイトルは、"Burma VJ: Reporting from a Closed Country"。邦題は、「ビルマVJ/消された革命」。

タイトルの"VJ"は、Video Journalistの略。ビルマのビデオ・ジャーナリスト達が、当局の目を逃れながら反政府デモの様子をハンディカムで隠し撮りし、オスロに本拠地を持つ地下放送局、Democratic Voice of Burmaorを通じて世界に配信した映像を編集した作品である。軍事政権の独裁が続くビルマで、燃料価格高騰をきっかけに発生した反政府デモは、仏教の僧侶に対しても暴力をふるい抗議活動を鎮圧した当局の姿や、日本人ジャーナリストも犠牲になったことなど、日本でも大きく報道された。その裏には、彼らビデオ・ジャーナリストの、文字通り命がけの取材があったのだ。

隠し撮りされた映像が伝える迫力は、衝撃的だ。ただ、「再編集」による演出意図の強化は、ドキュメンタリーとしては難しいところだと感じた。背景説明も、すこし不親切かもしれない。

日本政府は、ビルマの軍事政権を承認し、その呼び名も軍政の主張通り「ミャンマー」と改めている(ATOKで「ビルマ」と入力すると「地名変更→ミャンマー」とお節介にも教えてくれる)。大手メディアもそれにならっているが、主体的な判断をしているとは感じられない。一方、米国や英国は、"Myanmar"は、軍事政権による一方的改名だとして、依然、"Burma"を使い続けている。善し悪しを、単純に決めつけることは危険かもしれないが、無関心こそが、実質的に民主化を否定する軍事政権を支えてしまっているのだということを実感させる映像だった。



いつも使っているクリーニング屋。ただのパートのおばちゃんかと思っていた店員さんが、外人客と流暢な英語で会話しているところに遭遇。人は見かけによらないものだと思うと同時に、最近の自分の不勉強ぶりを反省しきり。