IN/OUT (2009.11.29)

最近の、些細ではあるが、結構深刻に悩んでいることが、「靴紐がすぐにほどける」こと。以前は問題なかったのに、いくら強く結んでも何故かすぐに緩んでしまうようになってしまった靴が何足か…。


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「医学と芸術展:生命と愛の未来を探る」09.11.29

森美術館で開催中の展覧会に行ってきた。

テーマは、「科学(医学)と芸術が出会う場所としての身体」。レオナルド・ダ・ヴィンチの解剖図(英国女王の所蔵品!)から、Damien Hirstなどの現代美術、円山応挙ら東洋の作品。さらには、義手・義足、外科手術道具の展示や、Oron Cattsによる組織培養・細胞工学をアートと融合させた展示(実際に細胞を培養し、小さな「革ジャケット」として育てている)など、幅広い作品が集められている。

20世紀初頭のレントゲン撮影装置や、16世紀頃のイタリアで実際に教育用に使われていた全身の関節模型など、本来、芸術作品として作られてはいないものが、こういう空間に置かれると、強烈な存在感を示すのが面白い。病や死の克服に対する強い意志が込められているからだろうか。一方、現代美術の方は、アイディア先行なだけという感じで分が悪い。ただ、Walter Schelsによる写真作品"Life Before Death"(死を間近に控えた人に承諾を得た上で、ポートレイトを撮影し、死後に撮影された遺影と並べて展示している。老人だけでなく、病に冒された赤ちゃんの写真も)は、ただならぬ迫力を持っていて印象的だ。こういうのを、メメント・モリを具現化した作品と言うのだろうか。

意欲的な企画だし、刺激的ではあったが、あまりにも幅広すぎて、観る側が消化しきれない感じがするほどのボリュームでもあった。もう少し、整理した展示の方が良かったか?

なお、11月13日・14日に東京で公開されたパフォーマンス「不平の合唱団 -東京」の様子も館内で上映されていた。これは、ヘルシンキを拠点に、Tellervo KalleinenとOliver Kochta-Kallleinenが始めたプロジェクトで、世界中の都市で、地元の人達が不平不満を合唱曲にまとめて歌うというもの。東京では、六本木ヒルズ・増上寺・表参道ヒルズで公開され、興味はあったが、当日、見に行くことができなかったのだ。同時に、他の都市でのパフォーマンスも上映されていたが、秀逸だったのは、2008年に行われたシンガポール版。歌われる内容が「シンガポール、あるあるネタ」で面白かったというのもあるが、何よりも、本番の一日前に政府から「公共の場で行ってはいけない」と禁止通達が出たため、旧議事堂の中、聴衆無しで収録されたということ。皮肉にも、シンガポール政府の独裁的な情報統制が露わになり、「不平の合唱」に相応しいことに…。その模様はプロジェクトのウェブサイトの"choirs"のページで(東京のビデオはまだアップされてません)。



ほどけにくい結び方を検索して試してみても、あまり効果がありません。紐がほどけるのは、要は摩擦の問題のはず。靴紐じゃない別の局面での摩擦が無くなるのであれば、大歓迎なのですが…