IN/OUT (2009.11.1)

ある程度の大きさの映画館は、ほとんどが指定席制になってしまいました。一昔前は、真ん中の特等席を除けば、原則自由席。途中入場しようが、二回連続で観ようが、怒られないという方が一般的だったのですが、シネコンの普及と共に様変わり。まあ、全席指定の方が良い点が多いとは思いますが。

今回訪れた所も、指定席制でしたが、ネット予約とかは無し。券売所で、紙に書かれた座席表から席を選ぶと、売り子さんがその場でマジックで塗りつぶしていくというローテクだけど間違いの無いシステム。小劇場ならともかく、一応、大手チェーンの映画館で、この中途半端な雰囲気が、ちょっと面白かったりする今日この頃です。


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"Whiteout"09.10.31

Kate Beckinsale主演のサスペンス映画を観てきた。邦題も、そのまま「ホワイトアウト」。もちろん、2000年に製作された日本映画とは無関係(因みにIMDbでは、邦画の方は"Howaitoauto"と表記されている)。

舞台は南極。そこで起こった殺人事件を捜査する女性FBI捜査官。グラフィック・ノベルが原作ということだけ予備知識として持っていたので、この後、犯人探しミステリとして展開するのか?はたまた「遊星からの物体X」的なストーリーになるのか?と思ってみていたが、意外なほど真っ当なミステリだった。南極の過酷な自然を活かしたアクション・シーンもあるが、全体としては小粒の推理物、という感じ。

FBI捜査官を演じるKate Backinsaleの存在感もあるし、現場に残された手がかりから、きちんとした推理で謎を解いていく様子は、明快。いささか捻りが足りないけれど、1時間40分の推理映画で、変に凝っても分かりにくくなるだけなので、これぐらいの単純さで丁度だと思う。そういう点では悪くないのだが、いかんせん、Dominic Sena監督の演出センスが古臭い。

冒頭、いきなり必然性もなく主演女優のシャワーシーンを見せる(しかも、その部分だけ妙にセンチメンタルな音楽が流れる…)という、20世紀B級映画の定番演出。さらに、Beckinsale嬢が抱えるトラウマがフラッシュバックするカットを何度も挿入するところの手際の悪さ。まるで、TVで垂れ流される二時間サスペンス・ドラマ程度の、頭の悪い演出に幻滅。監督の出世作"Swordfish"での、スタイリッシュな映像が記憶に残っていただけに、大いに落胆。そういえば、"Swordfish"でも、Halle Berry嬢の「必然性の無いお色気カット」があったっけ…

それにしても、そもそも米国は、本当に基地内で起こる犯罪に備えてFBI捜査官を南極に常駐させているのかしらん?



今回もそうでしたが、封切り日に映画を観ると、劇場出口でアンケートを採ろうと、ぴあなどの記者が待ち構えていることがあります。あれには、どうも嫌悪感を覚えてしまいます。

情報誌だったら、素人の感想を並べる前に、自分で観てプロの言葉で映画を語れ、と思うのですが。インターネット上でも、いわゆる「口コミ」系ばかりが重宝されているようですが、それがクオリティを下げているサイトが多いのが腹立たしい。eiga.comなんて、以前は頓知の効いたコメントが多かったのに、今じゃすっかり…