IN/OUT (2009.10.25)

Windows 7が発売開始。前評判が高いし、64bit版が本格的に実用モードに入ったなどと聞くと、試してみたい気はあるのだけれど、既存データのバックアップや、新しいドライバを探してダウンロードすることを考えると、どうも腰が引けてしまいます。

昔は、新しいOSが出ると、速攻、人柱覚悟で試していたのに。寄る年波という奴でしょうか。


in最近のIN

"The Boat That Rocked"09.10.24

Richard Curtis監督の新作を観てきた。邦題は「パイレーツ・ロック」

1960年代、国営ラジオ BBCが、ロックの放送時間を一日45分以内に規制していた英国。海の上から、文字通りの「海賊放送」で24時間、ロック&ポップスを放送していた船を舞台にした作品だ。Richard Curtis監督はTVコメディの仕事が多く("Mr. Bean"にも関わっているようだ)、映画監督としては"Love Actually"に次いで二作目。英国風ジョークが詰まった群像劇を、手堅くまとめている。

当時の、反体制と自由の象徴であるロック・ミュージック。それを、政府の手の届かない船の上から流すDJは、民衆のヒーローと言える存在なのだが、この船に集まった連中は、一癖も二癖ある奴らばかり。そんな彼らを、Philip Seymour Hoffman、Rhys Ifans、Bill Nighyらが、実にチャーミングに演じている。一方、彼らを目の敵にする政府の役人を、Kenneth Branaghが怪演。

登場人物達が戯画化され過ぎているような気もするし、描かれるエピソードも、リアリティは軽視され、ご都合主義に走っている。しかし、60年代のヒット曲の数々が流れ続ける中、徹底して、ラヴでピースでロックな世界が描かれるのは、痛快だ。なお、劇中、The Rolling Stonesは流れても、The Beatlesは一曲も流れなかった。権利関係の問題があったのかもしれないが、私はこれを英断だと思う。存在感が大きすぎるビートルズ・ナンバーを流しちゃうと、映画の焦点がぶれてしまったかもしれない。

21世紀も10年を過ぎようとしている今、ロックに世界を変える力なんて無かったことは明らかだ。今では、世界中、数え切れないほどのラジオ、TV局が、ロック&ポップスを流し続けている(もちろん、BBCも)。しかし、かつて、若者達が夢見たラヴでピースな世界は実現しなかった。音楽の力なんて、せいぜい、世の中の風通しを少し良くする程度だと思う。もちろん、それがとても大切な事なのだが。そういう皮肉な目で見ると、この映画の海賊DJ達の奮闘には、笑いの陰にほろ苦さがあるようだ。

エンディング・クレジットで流れるのは、敢えて60年代の曲ではなく、"Let's Dance"。1960年代から21世紀まで、スタイルを変え続け、商業主義化が進む音楽業界を生き抜いてきたDavid Bowieの1983年のヒット曲を使ったところに、監督の皮肉な意図が見えるようで、勝手に共感してしまった。良い映画だった。



一方、職場のPCがリース期間満了により、新しいマシンと交換。こちらは、(当たり前だが)何の面白みもないビジネス用格安ノート。OSは、Windows XP。それでも、ATOKやら辞書ソフトをインストールしたり、エクセルの個人用マクロファイルを移行したりとカスタマイズするのは楽しいし、外部記憶媒体がフロッピーディスクしか無かったような頃から比べると、作業は格段に楽になっています。やはり、そのうち、自宅PCのWin 7化にも腰を上げようかなぁ…