IN/OUT (2009.7.12)

駅前のオフィスビルのロビーで、週末、生演奏が行われていて、その気がなくても、本屋と喫茶店が入居しているビルなので、結構な頻度で出くわすことになってしまいます。ジャズやポップス系のアマチュア・バンドの皆さんが出演されているようで、まあ、演奏のレベルは玉石混淆ですが、親類縁者が集まるのか、場所の割には盛況で、定例イベントとして定着している感じ。


in最近のIN

"Monsters vs Aliens"09.7.11

ドリームワークスのアニメーション映画を観てきた。

以前は、本当に子供向けの物しかなかった米国のアニメーションは、Pixarが"Toy Story"を発表してから一気にクォリティが上がり、日本の「アニメ」とは別の進化を遂げてきたと思う。クオリティの高い作品をリリースし続けるPixarの対抗馬が、"Shrek"をヒットさせたDreamworksだが、万人受けするPixarと違い、子供向けを装いながら、相当腹黒い作品を作っているというイメージがある。この"Monsters vs Aliens"は、1950年代・60年代頃のB級SF映画をモチーフにしているということで、興味を惹かれた。

いざ、映画館に行こうとして困ったのが、吹き替え版ばかりが上映されているということ。子供を主要ターゲットとしているのだから仕方ないとは言え、大きいお友達としては、ちゃんとオリジナルの台詞で鑑賞したいのである。主役の声は、Reese Witherspoonだし、Kiefer Sutherlandだって起用されているのだ。新宿ピカデリーで、辛うじて一日一回だけ上映されているのを見つけたが、これは予想外の困難だった。

映画の方は、オープニングのちょっとした台詞や、タイトルバックの字体など、冒頭からB級SF臭がぷんぷんとしていて嬉しくなってくる(日本語のカタカナ・ロゴは、微妙にニュアンスが違っていると思う)。主役のモンスター達の元ネタは、昔、TVの洋画劇場で何度も放送されていた、「巨大女」、「半魚人」、「蝿男」、「人喰いアメーバ」に、日本の有名怪獣と、嬉し懐かしのものばかり。他にも、細かいパロディが詰め込まれる一方で、巨大女の体の線を何気に強調していたりして、ドリームワークスの腹黒さも満載。例によって、子供用に見せかけながら、かなり大人を意識した作品になっている。因みに、Reese Witherspoonの声がとても良いので、もっと字幕版の上映館を増やすべきだと思う。

アニメーションという制約の中、ストーリーの深みは無いが、1,800円の元はしっかり取れる映画だと思う。エンド・クレジットに、私の大好きなThe B52'sの名曲"Planet Claire"が流れ、それがまたカッコ良くて、普段はクレジットの途中でさっさと席を立つ私も、しっかり最後まで着席していたのである。



ただ、オフィスビルのロビーなので、音響が酷い。耳障りな残響が多く、いくら演奏が上手くても、三分と聴くに堪えないという感じ。みんな、あれで良いと思っているのか、我慢しているのか。せっかく定着しているイベントだけに、もう少し何とかならないものかと思う、今日この頃です。