IN/OUT (2009.6.14)

アジア4カ国から5人のゲストを招いての会議の本番。とりあえず、大過なく終了。

初めて日本に来たという出席者に、この機会に東京で行きたい所や見たい物は? と訊くと、「富士山」。そして「桜の花」。どちらも、6月の曇り空の東京では見られないと言うと、本当にガッカリしたようでした。


in最近のIN

"Chandni Chowk to China"09.6.13

本国インドでは、あの"Slumdog Millionaire"の三倍のオープニング興行記録を達成したというインド映画を観てきた。

ニューデリーの下町、Chandni Chowkのしがない料理人が、ひょんな事から中国の伝説的英雄の生まれ変わりと勘違いされ、ギャングに支配された村を救うため、中国に向かう。主役は、ボリウッドのスーパスターの一人、Akshay Kumar。脇を、バドミントン選手からモデル、さらに女優へと転身したDeepika Padukoneや、"Kill Bill"にも出演した中国のアクション・スター、Gordon Liuら、豪華なキャストが固め、音楽は、Shankar-Ehsaan-Loyというボリウッド最高のプロデューサー・トリオ。ボリウッドとカンフー映画が合体した、好き者には堪らない要素が詰まった超期待の一作だ。

映画は、ボリウッドのお約束、途中で「Intermission」の文字が挟まるが、実際には休憩が入ることなく、上映時間は2時間45分。おそらく、日本公開に際して、大分カットしたのだろう。そのため、演出のテンポが悪いように感じたのが、元々そうなのか、カットのためなのか、判断できない。しかし、あまりにもベタベタなギャグや、いくら何でも情けなさ過ぎるAkshay Kumarの役どころは、正直、キツイ。ストーリーはもちろん、ボリウッドならではの、超ご都合主義。誰にでも勧められる映画とは言いがたいだろう。

それでも、あり得ないような特訓シーンと、その結果身についた、馬鹿馬鹿しいまでの破壊力を発揮するカンフーの大技など、今では香港映画でも観ることができないようなシーン(これに比べれば、周星馳の映画ですら、洗練されていると感じてしまいそうだ)を臆することなく描ききるボリウッド・パワーは理屈抜きに楽しい。ハリウッドとは違う種類の娯楽として、ボリウッドの個性が溢れた作品で、私は偏愛するのである。

もう一つ、素晴らしいのが、善玉の女性 Sahkiと、悪役の一人 Meow Meowの二役を演じるDeepika Padukoneの美しさ。因みに、Meow Meowが画面に登場する度に、「ミャオミャオ」という猫の鳴き声が挿入される音響演出がまた、馬鹿馬鹿しくも素晴らしい。

この映画で客が入れば、日本で公開されるインド映画がもっと増えるのかもしれないが、残念ながら公開二週間ちょっとで打ち切りとなったようだ。果たして、次にDeepika Padukoneの美貌を日本の映画館で観ることができるのか、心配である。



因みに、タイから来た彼女をスーパーマーケットに連れて行くと、そこで購入したのは、S&Bのチリ・パウダー。バンコクの日系スーパーで見つけて以来、これが一番美味しいと言う友達に頼まれてきたとのこと。まさかスパイスの本場からの人が…。