IN/OUT (2009.5.3) |
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米国出張に行っていました。 成田 - ニューヨーク間の機内、これまで評判には聞いていたけど未見だった「24 - season 1」を、行きの機内で最初の12時間分(実質、一話45分なので、9時間だが)、帰りの機内で残りの12時間分の一気見敢行。 確かに、一度見始めると、次が気になる上手い作りだと思ったけど、感情移入できる登場人物が全然出てこないし(特に、Jack Bauerの妻子にはイライラさせられっぱなし)、あまりにも詰め込みすぎた脚本に、Season 2以降は見る必要が無いな、と感じました。 最近のIN大リーグ観戦 (09.4.28)出張中、Philadelphia Philliesの試合を観戦する機会があった。残業までして仕事に付き合わされてはかなわないと思った現地スタッフが一計を案じたのでは、と邪推もしたが、せっかくなので、ありがたく観戦。 場所は、Philliesのホーム・グラウンド、PhiladelphiaのCitizens Bank Park。オフィスから14マイルほどの距離。2004年に完成した新しい球場で、収容能力は43,500人。左右非対称のグラウンドに天然芝が美しい。本日の対戦相手はWashington。 席は、会社が客用に年に数席確保している、Suiteと呼ばれる個室。二階席部分に位置し、ビールなど飲み物と軽食が準備され、奥でくつろぐも良し、前面でグラウンドを見つめるも良し。ここに、十数名の会社関係者が集合。 因みに、日本では、甲子園球場、横浜スタジアム、千葉マリンスタジアム、東京ドームなどを訪れたことがあるが、いずれも、アメリカン・フットボールやコンサート。プロ野球の試合を生で観るのは、これが初めてである。 熱心な野球ファンでは無いので、生で観るプレーに、それほど感動することは無かったのだが、それでも、好プレーの度に、ウォーっと地響きのようにわき起こる声援にはぞくぞくする。訪れている観客の99%はPhilliesファンのようだ。ほとんどの人がチームカラーの赤い服を着ている。 試合は、7-1でPhilliesの勝利。ホームランが飛び交う大味なゲームだったが、とにかく勝って良かった。これだけの沢山の米国人が不機嫌になるところには遭遇したく無いのである。 なお、この日は、昨年度のワールドシリーズ制覇を記念した、監督Charlie Manuel(赤鬼マニエル)の首振り人形が入場者に配られた。大リーグ・ファンでなくても、ヤクルトや近鉄の古いファンにもお宝の人形かと思ったが、あまり思い入れのない私は、世話になった現地スタッフにプレゼント。 "Gran Torino" (09.4.30)Clint Eastwoodの監督・主演作を、機内で鑑賞。 妻を亡くし一人で暮らす老人がEastwood。頑固で、子供・孫からも煙たがられる彼が、隣に住むモン族の家族とふれあいを通じ、頑なな心を溶かし、やがて、自らに「決着」をつける。 「イーストウッド、最大のヒット作」などと宣伝されているが、映画の内容に派手さは無い。落ち着いた色調の中、物語は、ちょっとしたユーモアを交えながら淡々と進んでいく。そこに描き出されるのは、Eastwood自身がこれまでのキャリアで演じてきた、ハートボイルドでアウトローな男の年老いた姿だ。昼間からビールとタバコを手放さず、皮肉屋で、人種ネタの口汚いジョークを飛ばし、なぜか女性にはもて、そして心の奥深くに深い傷を抱えている。まさに、ダーティ・ハリー以来、Eastwoodが築いてきたパブリック・イメージそのままの役柄だし、それを強調するようなカットを随所に挿入する演出も冴えている。 しかし、物語の決着は、意外な形で訪れる。カソリックの牧師に人生後半の些細な罪を懺悔し(自分が抱える最大の罪について、ここでは言及しないのだ)、馴染みの床屋で髪を整え、スーツを新調した上で、最後の戦いに臨んだ彼が取った手段は、過去のEastwoodが演じたヒーローが超法規的手段で悪への怒りを爆発させてきたのとは全く違う。その決着の付け方が、しみじみと深く、ラスト、孫ではなくモン族の少年が運転する名車グラン・トリノの映像につながる。 これまで、Eastwood作品を愛してきて良かった、と思える名作だ。大スクリーンで見なかったことが申し訳ない。 最近のOUT豚インフルエンザ騒動 (09.5.1)今回の出張で増えた語彙が、"Swine"。豚のことだが、"Pig"よりも文語的 / 動物学的な表現らしい。連日報道されている「豚インフルエンザ」は、"swine flu"。 出張中に、WHOが発信するパンデミック警戒レベルがフェーズ5にまで引き上げられ、米国内でも学校閉鎖などのニュースが飛び交っていた。ただ、全体としては、冷静な受け止め方がされていたようだ。というか、TVのニュースでも、米国内の話題よりメキシコからの映像の方が多く、パニックを起こさないよう、あえて控えめの報道をしているような印象もあった。 4/30、ニューヨークのJFK国際空港は、特に変わった雰囲気も無く、マスクをした人もほとんど見かけない。離陸からしばらくして、機内の通路で、女性が突然意識を失って倒れ、一瞬、騒然となったのだが、おそらく、貧血かなにかだったのだろう。間もなく意識を回復し、事なきを得た。野次馬的には、TVドラマなどでお馴染みの「この中にお医者様はいらっしゃいませんか?」と客室乗務員が聞いて回るシーンが見られるのか、などと思ったりしたが、そういう展開は無し。とにかく、ご本人も大丈夫そうだったし、どこかに緊急着陸ということにもならず、一安心。 しかし、問題は成田着陸後だった。ほぼ定刻の15時15分に着陸し、ベルト着用サインが消えてから「検疫官が機内で検疫するまで席でお待ちください」のアナウンス。ここからが長い。20分以上待ったところで、「現在、隣の飛行機の検疫に手間取っており、検疫官がこちらの飛行機にやってくるまで、あと20〜30分お待ちください」のアナウンス。ゴールデン・ウィークの混雑期、感染地域から到着する全員をチェックする手間は大変だとは思うが、検疫要員の増強など、もっとしっかり対応していただきたい。 ようやく、一時間ぐらい経ってから検疫官が乗り込んできて、赤外線スコープで、体温チェックと、問診票の回収。日本人には「問題有りませんか?」などと声をかけているのに、外人には無言で対応する検疫官の姿に不安も覚える。 結局、機外に出られたのは着陸から二時間後。飛行時間 13時間 + 検疫 2時間(ついでに、時差13時間)。非常口横の、足を伸ばせる席だったのがせめてもの救いだが、大移動で疲労困憊である。 ということで、あまりご機嫌よろしくない状態で入国。余った米ドルを両替するところで、日頃から疑問に思っていた、「なぜ外貨両替で一々申込書を書く必要があるのか、海外の両替商でこんな手続きのところ、滅多にないではないか」ということを、窓口の人に詰問してしまいました。 |