IN/OUT (2009.3.22)

クレジット・カードのポイントで、スティックタイプのフードプロセッサーを入手以来、これまで敬遠していた電動調理器具に開眼。ついに自腹でクイジナートのハンド・ミキサーを購入してしまった今日この頃です。


in最近のIN

"The Secret Life of Bees"09.3.21

Dakota Fanning主演の映画を観てきた。邦題は「リリィ、はちみつ色の秘密」。

トラウマを抱えた少女が家出をし、黒人姉妹が切り盛りする養蜂場で過ごすことになる。時代は1964年。公民権法が成立しても、厳しい人種差別が続くアメリカ南部が舞台だ。

名子役、Dakota Fanningも、15歳。すっかり身長は高くなったが、的確な演技力と無邪気な表情は健在。このまま、ビッチ化せずに立派な女優さんになってもらいたいものだ。一方、彼女を取り巻く黒人女性が、Queen Latifah、Jennifer Hudson、Alicia Keysという豪華メンバー。包容力溢れるQueen Latifahと、クールなAlicia Keysの対比の妙もあって、人種差別に対して決然とした態度を取る女性達の強さと優しさがDakota Fanningの心を開いていく様子が、しみじみと描かれていく。

ということで、大変、心清らかに鑑賞できる良い映画だと思う。ただ、一見、小品ながら、実は豪華な出演者。これを邪推して、美少女文芸作をハリウッド式に無難にまとめて感動させようという、製作者の小賢しさが透けて見える、と感じるのは、こちらの心が清らかじゃ無いからか?


「テオ・ヤンセン展」09.3.21

テオ・ヤンセン展日比谷パティオで開催中の「テオ・ヤンセン展」を観てきた。

オランダの芸術家、Theo Jansenが1990年から製作を続けている、「ビーチ・アニマル」または「ストランドビースト」と呼ばれる生命体の展示である。生命体と言っても、プラスチック・チューブを組み合わせた、風を動力に動く構造体だ。しかし、Theo Jansenは、それを構成するプラスチックのパーツを遺伝子と呼び、これが進化し続ける生命体だとしている。

テオ・ヤンセン展場内には、観客が動かすことができる物が一体、デモンストレーションで動かして見せてもらえる物が一体、既に動かなくなった旧作品(Jansen氏はこれを"化石"と呼んでいる)が9体、さらに手に取ることができるパーツや、スケッチなどが展示されており、写真撮影も自由。

パーツは、本当に安っぽい、廉価大量生産工業商品の象徴と言えそうなプラスチック・チューブ。それが、骨格むき出しの有機体のように動く様は、確かに、我々とは別系統で進化する生命体のようだ。デモンストレーションで動いた巨大な構造体「Animaris Modularius」は、受けた風を背中に取り付けられたペットボトルに圧縮空気として貯蔵し、それを動力に動くのだが、予想以上に俊敏な動きだ。チューブから漏れる圧縮空気の音も、いかにも異形の生命体の息吹のようで、独特の存在感がある。電子的な制御は一切行われていないのに、何か意思を持っているかのようにも感じられる。むろん、この原理のままでは、自己複製能力を持ちようが無いのだから、生命体というには無理があるような気はするが。

説明員が、展示物を呼ぶときに「この子」と、本当に生物扱いしているところにも感心。ただ、会場自体はそれほど広い訳ではないので、入場料 1,500円は、もう少し勉強していただきたいところではあるが、なかなか興味深かった。



電動は確かに便利。クリームチーズを練るのも、卵白を泡立てるのもあっという間。研究を重ねたいところですが、この不景気のおり、菓子作りは、結構、金がかかるのが問題です。