IN/OUT (2009.3.8)

Anne Hathaway主演のスリラー映画を観てきた。

結論から言うと、最悪だった。Anne Hathaway演じるセラピストが、飛行機事故の生存者達のカウンセリングを引き受ける。やがて、彼女の周りで奇妙な出来事が起こり始めるという物語なのだが、緊張感が無い。飛行機事故には何か隠された真相があるのかも、と思わせながらも、物語は全く加速しない。それどころか、本来、緊迫感が漂うべきシーンでも、背景にはしんみりとしたピアノ音楽が流れ、静謐な印象だけが画面に溢れる。となると、まさか、ああいうオチでは、という嫌な予感がしてくるのだが、果たして、その予感的中。いわゆる「結末は誰にも言わないでください」タイプの作品だが、使い古されたあのネタを、こうもあっけらかんとやられてしまうと、ただただ呆れてしまう。

もっとも、好意的に考えれば、製作陣は確信犯なのだろう。映画の目的は、緊張感のあるドラマを見せることでも、新しいタイプのサスペンス映画を提示することでも無い。目的は一つ、Anne Hathaway嬢をチャーミングに見せること。それも、彼女がこれまで出演したことがないスリラー系の映画で。そう考えれば、目的は十分に達成できているような気もするし、Anne Hathaway嬢自身も、新世代の愛らしい女優として業界の期待が集まっていることを十分に自覚した演技を披露している、とも言えそうだ。

それにしても、あのオチは無いよなぁ…