IN/OUT (2008.10.19)

シネコンの中では、TOHOシネマズを利用することが多いのですが、6本観る毎に1本ただになるというサービスがあるということで、申し込んでみようかと検討中。そして、このサービスのもう一つの特典が、シネマイレージ。上映時間1分を1マイルで換算し、マイルが貯まると、ポップコーンやドリンクなどがもらえるという仕組みだそうです。

このシネマイレージは、別に航空会社のプログラムと提携している訳ではなく、純粋に映画館の中で特典が受けられるだけ。「シネマ」と「マイレージ」を組み合わせた「シネマイレージ」が語呂が良いのは分かるけど、わざわざ「分」を「マイル」と言い換える必要性がさっぱり分からない今日この頃です。


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"Get Smart"08.10.13

1965年から1970年にかけて制作された米国TVコメディ「それ行け スマート」のリメイク映画を観てきた。

オリジナルのTVコメディについては、それほど覚えていないのだが、TOTO好きにとっては、彼らの名曲、"99"が、この作品に登場する魅力的な女性、Agent 99(このリメイク作では、Anne Hathawayが演じてる)に由来することで印象に刻み込まれている作品だ。また、電話ボックスがエレベーターになっていたり、靴底に電話が仕込んであるというギミックは、記憶に残っているが(靴に電話を仕込むというアイディアは、その後のお笑いスパイ物の定番小道具になった大発明だ)、そういったものが、この映画でもちゃんと再現されているのが楽しい。実際には、オリジナルからの引用はまだまだ沢山あるらしく、DVDなどで予習してから見れば、もっと楽しめたに違いない。

主人公が単なるドジで笑いをとるスパイ・コメディは沢山あるが、Get Smartの主人公、Agent 86 = Maxwell Smartは、決して無能な訳ではない。基本的には優秀な能力を持っているのに、何かがズレて笑いを巻き起こすというのは、コメディアンとしては結構難しい役柄だと思う。しかし、本作の主演、Steve Carellは、生真面目そうな表情で颯爽と行動しながら、どこかが狂って笑いを誘う、まさにSmartにうってつけの演技を披露している。

次々と繰り出さされるギャグは、下らなく、馬鹿馬鹿しく、時にはお下品な物も混じる(← 全て褒め言葉)。調べてみたら、オリジナルのクリエーターの一人が、Mel Brooks。私が最も好きなコメディ作家だ。この映画でも、コンサルタントとしてクレジットされているようだが、なるほど、そこかしこに、Mel Brooks風味が効いていたのが、私の笑いのツボにはまったのだな。



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"Eagle Eye"08.10.18

Steven Spielbergがエグゼクティブ・プロデューサーを務めたサスペンス映画を観てきた。

ベースのストーリーは、普通の人が、身に覚えのない事件に巻き込まれ、訳の分からないままに巨大な陰謀に関わってしまうという、Hitchcock的なものだが、そのスピード感が良くも悪くも現代的。というか、あまりにも目まぐるしく、メリハリが無い。とにかく、ハイ・テンションを持続させるのが D.J. Caruso監督の演出方針なのかもしれないが、カーチェイスのシーンなど、一体、何が起こっているのか理解できないほどの目まぐるしいカット割りで、私にはついていけない。

「謎の女性」が事件を仕掛けた動機に皮肉が効いているのと、主人公が巻き込まれた理由に工夫が見られるが、ハイテク&ネットワーク社会が孕む危険性を訴えるような陰謀の背景と「謎の女性」の正体は、一皮むけば、昔から使い古されたネタだ。

結局、目新しくも無いネタを、過剰な演出で大作に仕立てただけの、ハリウッド映画の悪いところが凝縮されたような作品だと思う。ただ、Bowmanという名前の人物が人工知能と対決するシーンには微苦笑。これは、"2001: A Space Odyssey"のパクリではなく、オマージュと捉えてあげるべきだろう。



この二作、クライマックスで、悪玉が仕掛けた爆弾を起爆させる方法がほとんど同じ。コメディと発想が同じという点でも、Eagle Eyeの「大作」というメッキが剥がれてますな。