IN/OUT (2007.10.21) |
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町中でハロウィーンの飾り付けが目立つようになってきました。クリスマスやバレンタイン・デイは今更しょうがないとは思うけど、これ以上アメリカかぶれの行事を輸入しなくても良いと思うのですが。似たものにお盆だってあるんだし。 最近のIN「インド映画の輝き」 (07.10.20)東京国立近代美術館 フィルムセンターで開催されている上映企画「日印交流年 インド映画の輝き」で上映された「ねずみとり」を観てきた。 この上映企画は、インド映画がいわゆる「ボリウッド映画」として大躍進を遂げる前の、1980年代までに制作された物から32本を上映するというものだ。 今回観た「ねずみとり」(予備知識があった訳ではなく、時間が合ったので選んだのだが)は、マラヤーラム語(ケーララ州)による、歌も踊りも無い、実に陰鬱な作品だった。主人公は、農村の旧家の当主。プライドだけはあるが、自活能力はゼロで、性的にも不能であることが暗示されている。妹達に依存しきった暮らしを送っているが、やがて精神崩壊を来す。その過程が淡々と描かれていくだけの物語で、明るい場面は皆無。罠にかかり、川で溺れ死にさせられるネズミ達と、病んだ精神に支配された屋敷内で暮らす兄妹を対比させたと思われる演出は、終わってみると、なるほどと思わせる説得力も感じたが、2時間、集中して観るには、相当にキツイ映画だ。 何よりも困ったことは、この主人公、感情移入できないどころか、見ていて、本当に嫌悪感を起こさせる人物なのだ。あるいは、彼はインド的な何かを体現する人物像で、インド人的には何らかの共感を呼ぶのだろうか? 能天気ボリウッド映画や、さらに輪をかけてご陽気なタミル語娯楽作だけがインド映画じゃ無いことだけは実感できたが… 東京国立近代美術館 フィルムセンターを訪れたのは初めてだったが、一本500円で、普段見る機会が少ない世界の名作を観られる、なかなか良い施設だと思う。この上映企画は11/16まで続いているので、時間が合えば、もう少し娯楽的な作品も見ておきたいところである。 ご近所スーパーマーケットの店員も、魔女の帽子を被っています。確かに米国でもハロウィンの日には、大の大人がヘンテコな仮装で昼間っから働いたりしてますが、あれも当日一日だけのお祭り騒ぎだから楽しいんであって、そんな、二週間も前から扮装しなくてもねぇ… |