IN/OUT (2007.10.14)

新しくできた、有楽町イトシアに行ってきました。ついでに、マロニエ・ゲートにも立ち寄りましたが、ほんと、あの辺の人の流れが変わりました。


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「サディスティック・ミカ・バンド」07.10.13

サディスティック・ミカ・バンドの再々結成ライヴの模様を撮影した映画を観てきた。

1974年発表の「黒船」を私が最初に聞いたのは、彼らが解散した後だったが、そのクオリティの高さに驚き、今でも愛聴盤だ。1989年の桐島カレンを迎えての再結成公演を、東京ベイNKホールに観に行き、生の演奏の素晴らしさも印象的だったので、今回の木村カエラが参加しての再々結成コンサートも楽しみだったのだが、都合が付かなかった。残念に思っていただけに、その模様が映画として公開されると聞いて、大いに期待していた。

しかし、映画としては駄作だった。ライヴの模様に、メンバーへのインタビューや、レコーディングの様子などを挟み込む構成は、ありがちなものだが、コンサートの盛り上がりや熱気が全く伝わってこないのは、演出が下手なのか、製作者の愛が足りないのか。また、古くからのファンが観るには問題ないし、そういう人たちを客層に絞っているのかもしれないが、あまりにも説明不足なのも、いかがなものかと思う。ミカバンドの歴史的な部分や客観的なメンバー紹介があっても良いように思うし、インタビュー中に出てくる固有名詞にも注釈が必要な物があったと思う(メンバーが加藤和彦のことを語るとき、当たり前のようにトノバンと呼んでいたが、知らない人にとっては、誰のことが話題になっているのか理解できないのでは?)。ケーブルTVとかで流すのなら良いかもしれないが、映画館で公開するようなレベルの作品とは思えない。

この酷い映画でコンサートの様子がどこまで掴めたのかよく分からないが、演奏は、さすがに上手い。ゲスト・ボーカルの木村カエラは適材だったと思うし、本人も自分の立ち位置を見事に理解して演じていたようだ。頭の良い人なんだと思う。今の日本の若手女性ミュージシャンで、ここに収まるのは彼女しかいないだろう。ただ、あまりにも歌が上手いのが、残念。やけっぱち的な面白さだと、むしろ桐島カレンの味わいも捨てがたかったなと思う。まぁ、なんだかんだ言っても、結局、初代。私は、Mica Bandよりも、Mika Band の方が好きだ。



ということで、映画はイトシアの中にあるスクリーンで観てきた訳です。富裕層狙いの再開発には、あまり関係も無いのですが、映画館が増えるのはありがたいことです。