IN/OUT (2007.4.29)

ゴールデンウィーク。極力、仕事のことは考えないようにしたいものです。


in最近のIN

"Babel" (07.4.28)

Alejandro González Iñárritu監督の話題作を観てきた。

モロッコ、メキシコ、日本の三カ所で起こる三つ(モロッコ編は二つに分けて四つと言うべきか)の物語を並行して描く群像劇だが、それぞれが互いに関連した物語であり、かつ、時間軸を微妙にずらして描くという凝った作りになっている。それが、謎解き風の効果も上げていて、とても巧妙な脚本だと思う。

菊地凛子嬢のアカデミー賞ノミネートが話題になった作品だが、確かに、非常に印象的な役であり、それを見事に演じきった姿は、この映画で一番の存在感かもしれない。

しかし、内容の方は、ずしりと重い。それぞれの物語の結末は、絶望と救いがない交ぜになっており、複雑な感慨が胸に残る。個人的には、もう少し希望に満ちた映画の方が好みではあるし、カメラワークも苦手なタイプなのだが、文学的でありながら観客をねじ伏せるような荒々しい力を持った希有な映画だと感じた。


お上りさん的ツアー in 東京ミッドタウン (07.4.28)

東京の新名所となった東京ミッドタウンに行ってみた。

オフィスがあり、高級ホテルと高級賃貸住宅があり、ショップとレストランがあり、美術館もある、ということで六本木ヒルズとかなり被る要素が揃っているが、雰囲気は相当違う。和を大切にしたデザイン重視が目立つ。私としては、六本木ヒルズよりも遙かに高得点である。

とは言いながら、行列が出来ている飲食店には目もくれず、有料の施設にも立ち寄らず、ちゃんと観てきたのは、無料の「フジフイルムスクエア」と「デザイン・ハブ」だけである。

フジフイルムスクエアでは、オープニング記念として「Professional Photographer 200人展」が開催されていた。国内の有名写真家200人の作品が一人一点ずつ展示されている。共通のテーマは設けず、写真家の名前五十音順で並べられているが、それによって、それぞれの写真家・作品の個性が明らかになっていて、面白い展示だった。

デザイン・ハブでは、「Good Design Good Life - 日本のデザイン」という企画展が開かれていた。過去50年間の日本のインダストリアル・デザインの代表作が展示されている。電気釜、文房具、醤油注や牛乳瓶から、カメラ、PC、ロボットまで。懐かしい物、自分が愛用していた物、欲しかったけど買えなかった物などが並んでいて、飽きない。パイオニアのシステムコンポ「F-780、A-980、CT-970」や、テクニクスのレコードプレイヤー「SL-10」なんかは、今見ても、ワクワクする。

オープンして間もないためか、非常に混んでいた。しばらくしてから、ちゃんと美術館とかも見に行ってみたいものである。



お上りさん的ツアーとして、もう一カ所、新丸の内ビルディングにも行ってみました。が、ここはさらに凄い人出。週末の丸の内とは思えない大変なことになっていました。

しかしまぁ、東京ミッドタウンにしても新丸ビルにしても、週末に物見遊山気分で出かける人ばかりじゃなく、そこで働いたり、(住んだり)、高級ショップで日常的に消費する人達が少なからず居る訳で、格差社会を実感する今日この頃です。