IN/OUT (2007.1.7)

2007年が始まりました。
昨年は、どうも自分のペースを崩したまま過ぎていったような気がするので、なんとかリズムを取り戻したいものです。


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帰省前に帰星 (06.12.27-31)

年末、一年ぶりにシンガポールを訪れた。

駐在中に貯めまくったシンガポール航空のマイルがそろそろ期限切れになり始めたのに気付いたのが11月。短期間で行くならここしかないと、慌てて予約を入れたが、完全に出遅れでキャンセル待ち。すっかり諦めていたのだが、一週間前になってOKの連絡をもらった。今後、これだけのマイルが溜まることはもう無いと思われるので、無駄にせずに済んで一安心。

新装成った成田空港第一ターミナル南ウィング。相変わらず面白みの無い空港だが、スターアライアンスのラウンジが、かなり快適になっていた。特に、シャワーが有るのがありがたい。無料であることに感謝しつつ、Raffles Classに搭乗。機内食でデザート後のチーズとポートまでしっかり楽しめるのが嬉しい。

コスアフェ・メイド・カフェコスアフェ・メイド・カフェこの一年に新しく出来た場所ということで、まずは、シンガポールに初お目見えしたというメイド・カフェの存在を確かめに、Chijmesに行ってみた。まだ午前中で開店していなかったが、確かに存在している。別の場所ならともかく、古い修道院を改装した施設で、私がお洒落スポットとして気に入っていたChijmesにこんな店が出来るのはがっかりだ。所有する不動産デベロッパーが変わったせいか、他のテナントも、いまいち雰囲気が悪くなっているような気がする。Chijmes堕ちた、という感じである。なお、店を訪れたことがある人に聞いてみたところ、ウェイトレスがメイドの服装をしている以外は普通の喫茶店らしい。ちゃんとしたオフィスで働く女性も、日本の常識からすれば突飛なファッションをしているこの国で、メイド服にどれぐらいの価値があるのか私には分からない。

次に行ってみたのは、Harbour Frontに新しくできた、Vivo City。シンガポールでも最大級の巨大ショッピング・モールだ。噂に聞いていた以上に広く、店の種類も相当のもの。平日でもかなりの混み具合だ。特に、座席が非常に快適と評判の映画館には、長蛇の列ができていた。ここの三階には、まもなく開業するSentosa Expressの駅がある。数年以内には、Sentosa島にカジノやユニバーサル・スタジオができるので、その対岸にあるこのモールは、さらに活況を呈するに違いない。

Vivo City以外でも、Raffles Cityの地下も拡張されていたし、大型の商業施設は軒並み好調のようだ。オフィスやコンドミニアムの賃料も急上昇しているらしく、シンガポール経済は活気ある状態らしい。

National Museum of Singaporeもう一つ、到着してから気付いたのだが、長期間にわたって改装工事をしていたNational Museum of Singaporeが、ついに新装オープンしていた。堂々たる外観のクラシックな建物だが、中は超近代的。建物自体は入場無料で、各展示室に入るところでチケットが必要というシステムになっている。地下の企画展示のフロアでは、Maria Theresiaに関する特別展が開催されていた。質・量ともに、あまり大したものでは無いが、説明員のベタベタ・シングリッシュによる解説が親切だ。

しかし、この博物館で注目すべきは、二階の展示、Singapore History Galleryと、Singapore Living Galleriesだろう。もともと、大した歴史の無い国なので、国立博物館と言っても、古代から伝わる宝物のようなものは何も無いのだが、その分、展示方法に知恵を使っているのだ。Singapore History Galleryは、Sentosaのアトラクションのノリで愛国心を鼓舞する内容だが、見せ方の工夫が楽しい。シンガポール近代史で避けて通れない、日本占領の暗黒時代の描写もたっぷりあるが、日本人にも素直に見ることができるものになっていると思う。一方、Singapore Living Galleriesでは、シンガポールのファッションや食べ物に関する展示がされている。それにしても、いくらネタが無いからといって、国立博物館で、ラクサの調理方法を大々的に展示するのはどうよ?という疑問もあるが、これまた、面白いディスプレイ方法が考えられていて楽しめる。

マーライオンの卵の標本二ヶ月目のマーライオンの標本マーライオンの標本また、シンガポールのシンボルとも言えるマーライオンの卵からの成長過程を追った標本の展示もある。謎の生物であったマーライオンの生態が要領よくまとめられているのは、さすがである(リアルに作られているが、もちろん、David Chan氏によるインスタレーション)。

下から見上げた丸天井そして、この博物館の一番の魅力は、快適な雰囲気の、その空間自体だ。今後、シンガポールを訪れる人には是非とも時間を掛けて味わっていただきたい素晴らしい施設だと思う。

あとは、個人的に懐かしい場所を巡り、懐かしい人達と再会。
夕食に付き合ってくれたオフィスの日本人元同僚を、東京勤務のストレス発散の相手にしてしまい、いささか申し訳ない。
元部下のローカルスタッフ 6人とは昼食を共にしたが、こちらが奢るつもりだったのに、逆にご馳走になってしまった。ジョブ・ホッピングが当たり前のこの国で、全員がそのまま残っていて、暖かく迎えてくれたのが、とても嬉しい。
以前通っていた足裏マッサージ屋の店員に覚えていてもらっていたのも、結構嬉しかったりする。

それにしても、シンガポール。本当に何のプレッシャーもストレスも感じずに居られる場所だ。もちろん、会社の加護の下にあった駐在員時代の思い出を持って、呑気な旅行者として訪れたからこそ感じられる気楽さだと分かっているが、とにかく、まだ数往復できるマイルが残っている。次回が楽しみなのである。



帰星した後、実家に帰省。年が明けて出社してみれば、どうも今年は、昨年以上の激動に巻き込まれそうで、果たしてどうなることか…