IN/OUT (2006.7.23)

通常であれば、そろそろ夏休みという時期ですが、どうも今年は色々とありそうで、あまり遠出の予定は立てられないという感じです。


in最近のIN

"Transamerica" (06.7.22)

主演のFelicity Huffmanが、ゴールデングローブの主演女優賞を取った映画を観てきた。邦題は「トランスアメリカ」

大枠は、典型的なロードムービーだ。広大な国土、発達した自動車社会、人種・宗教・文化の多様性、などのためだろうか、米国を舞台にしたこの手のロードムービーは多い。訳ありの登場人物が車で旅しながら、出会う人達と交流し、社会問題に触れたりしつつ、結果として自分の内面を掘り下げて行く。バックに流れるのはカントリー音楽。意地悪い言い方をすれば、基本フォーマットを守っておけば、そこそこ感動作に仕上げることが出来るジャンルだと思うし、私も嫌いじゃ無い。この作品も、基本的なポイントをきっちり押さえた作りになっている。

しかし、ひと味違うのが登場人物の設定だ。男性として生まれながら性同一性障害に悩み、間もなく女性への性転換手術を受けようとしている主人公。そして、旅を共にするのが、彼女(彼?)が、かつて一度だけ女性と付き合った時に出来た17歳の息子。根はナイーブな青年だが、ヤク中で男娼。主人公は、それまで息子の存在を知らず、動揺しつつも正体を隠して旅をするのだが、二人が途中で取る行動も、綺麗事ばかりじゃない。

普通に考えれば、共感できる人がとても少ないストーリーになりそうなのに、普遍的な物語として主人公達に感情移入できるのは、これが初の長編映画となるDuncan Tucker監督の手腕と、主人公を演じたFelicity Huffmanの演技があってこそだろう。念願の性転換手術の目前で、いきなりの息子の出現に揺れる男性(だけど女性)。通常なら、男優に女装させるところだと思うが、それを女優に演じさせた発想の転換が大成功だと思うし、この難役を、本当に上手にこなしたFelicity Huffmanが素晴らしい。

余韻を残しつつ、色々あったけど良かったな、と思わせるラストのまとめ方も巧みで、良い映画だった。



シンガポール時代も夏休みとはあまり縁がありませんでした。同じ駐在員でも、アジアに行くか西欧に行くかで、バケーションを取れるかどうかに大きな違いがあるはずだ、と残念がっていたものです(もっとも、西欧駐在員といっても、現地スタッフと同じようなスケジュールでバケーションを取れる日本人はほとんどいないのでしょうが)。