IN/OUT (2006.3.26)

世界中の料理を味わうことができる東京。スーパーマーケットで、やや割高なものの、バクチーも普通に売られています。しかし、日本仕様なのか、香りが非常に弱く、残念感強し。ちゃんとしたタイ料理屋などでは、別ルートで仕入れているのでしょう。

これが、ちゃんとしたタイ料理屋じゃない、雰囲気だけのアジア料理店に行くと、香りの弱いパクチーだけでなく、全然辛くないトムヤムクンが出てきたりして、ますますがっかりすることになります。この前行った店もそういう所でしたが、女性店員の制服がアオザイだったので、ま、これはこれで有りかな、と日和ったりもする今日この頃です。


in最近のIN

"The Exorcism of Emily Rose" (06.3.25)

実話を元にした悪魔祓いに関する映画を観てきた。日本公開タイトルは「エミリー・ローズ」(なぜ、肝心の"Exorcism"を抜かしてしまうのだろうか??

原因不明の症状に対し、医学的治療ではなく悪魔祓いで対処しようとして、結果として死に至るという事件は、日本でも怪しげな新興宗教が引き起こすことがある。そういう場合、世間の目は新興宗教のいかがわしさに向けられるのが普通だ。しかし、キリスト教文化の浸透した国で、カソリックが絡むとなると、悪魔が存在するか否かが真剣に議論されることになる。この映画のストーリー自体は、その矛盾と馬鹿馬鹿しさを明らかにするものだと思う。ただし、ここでは、悪魔が存在するか否かは曖昧に描かれている。信仰を持たない代わりに功名心と野心に満ちた弁護士が、悪魔の問題と関わるうちに内面的に変化していく様子が物語の主軸となっており、宗教上の悪魔に固定されない「邪悪」の存在を感じさせる演出だ。

個人的には、いい加減な悪魔祓いによって被害者を死に至らしめた神父を許せないとする検事の方が魅力的な人物だと思う。検事自身は、弁護士とは対照的に信仰心を持っている設定なので、もう少し深く彼の内面を掘り下げても良かったように思う。ただ、彼を主役にしてしまうと、理詰めで悪魔の存在を否定するだけの映画になってしまい、娯楽作としての奥行きが無くなるとの判断があったのかもしれない。また、実際には、執行猶予付きの懲役刑が下された事件だと聞いているが、映画ではハリウッド的大岡裁きになっているところも興醒めではある。

ということで、やや脚色の仕方には不満もあるが、画面構成や色彩などにも気を配った、丁寧に作られた映画だと思う。



海外の、ヘンテコなメニューと内装の「日本料理店」には地元の客ばかりで、現地在住日本人が寄りつかないのと同じように、件の店も、日本人客ばかりで東南アジア系のお客さんがいませんでしたね。ま、お互い様ということでしょう。