IN/OUT (2006.1.15)

プライベートでは三度ほど訪れたことがありますが、仕事では初めての訪問となるロンドン出張に行ってきました。

とはいえ、地下鉄でオフィスに通い、終日会議室に閉じこもっていたので、使用す る言語が違うだけであまり英国に来ているという気がしませんでした。他の出張者と同行した夕食も、和食が二回とイタリアンが一回ということで、英国らしさは無し。唯一、オフィス内で食べた極めて「質素」な昼食(サンドイッチとチーズ)が、実に英国らしかったか(ごちそうになっておきながら失礼な書き方だが…)。

・・・ 社用で行っているのだから、一人で町をぶらつく時間がなくて残念などとわがままなことを言ってはいけません。


in最近のIN

"山中千尋トリオ Live 2006" (06.1.14)

新進ジャズ・ピアニスト、山中千尋の演奏を聴きに、Tokyo TUCに行ってきた。

会場のTokyo TUCは、米国のジャズ専門誌"DOWNBEAT"によって「世界の名門ジャズ・クラブ100店」に選ばれたという名門らしい。私は初めて訪れたのだが、決して広くない、というか狭い店内に客がすし詰め。最前列の隅っこ、ドラムセットの真横50cmぐらいに席を取ったが、ここは、普段なら椅子が置かれない場所だろう。それだけ、超満員だったのである。開演前に、オーナーらしきダンディな老人が長々と挨拶するのが、いかにも老舗のジャズ・クラブっぽい。

登場した山中千尋嬢は、ガムを噛みつつ(禁煙中らしいので、そのせいか?)、ピアノに肘をついて、リラックスした調子で喋り始める。足下にどさっと楽譜の束を置き、演奏する曲をその場で決めていくところも、何とも気取らない雰囲気だが、いざ演奏が始まると凄まじい集中力に切り替わる。あくまでも力強く、スピード感に溢れた演奏だ。あまりジャズのスタンダード曲に詳しくない私でも知っている"Cleopatra's Dream"も、あの疾走感で演奏されるのを聴いたのは初めてだ(途中に「学生時代」のフレーズを挟む遊びもあり)。

アンコールでは、トリオのメンバーが楽器を交換する(山中嬢がウッドベース。ベーシストがドラム、ドラマーがピアノを演奏)余興もあったが、全体に非常に白熱した演奏を堪能した。MCでかいま見える彼女の飾らない人柄も好印象。

彼女は、つい二日前に、Swing Journal誌が選ぶ2005年度の最優秀New Star賞を受賞したそうだ。評価が鰻登りになっているため、今後は演奏の場も大きなホールが増えてきて、このような小さなジャズ・クラブでのプレイを見ることは難しくなるかもしれない。しかし、その演奏スタイルは、大ホールでお行儀良く鑑賞するのではなく、観客と至近距離で息づかいを共有できる狭いスペースでこそ堪能できるものだと思う。そういう意味で、良いタイミングでライヴを観ることができ、幸運だった。



往復は、久しぶりに乗るJALでしたが、シンガポール航空に比べると、機内食も座席の間隔も劣ると思います。これで12時間のエコノミー席はきつかった。Star Allianceだと、空港でラウンジを使えるのだけど、そうも行かず。機内エンターテインメントシステムも、質・量ともに不満が残りました。

・・・ 社用で行っているのだから、好みの航空会社を使えずに残念などとわがままなことを言ってはいけません。