IN/OUT (2005.5.29)

アパートを出た後の宿泊は、最後の贅沢で、シンガポール唯一の六つ星ホテル、リッツ・カールトンにした。引っ越しと航空券とホテルを込みにして日通に依頼すれば、かなりお得な割引料金で泊まることができるのだが、残念ながら、先に航空券の手配を済ませてしまっていたので、日通パックは利用できず。

さすが、一流。タクシーを降りたところから、ドアマンの対応、フロントの対応とも洗練されている。当然ながら、部屋も素晴らしい。このホテルの中では、レベル的には中の下ぐらいの部屋のはずだが、広いし、調度品もシンプルながら感じが良い。そして、何よりも、バスルームがすごい。これだけで、日本のビジネスホテルのシングルよりも大きいぐらいの広さがあり、バスタブの横には大きな窓。シンガポールの夜景を見ながらの入浴が楽しめる。せこくケチったため、Marinaとは反対側、Kallang方向に向いた部屋なので、いまいちの夜景ではあるが、素敵な開放感だ。

改装して一気に高級感が増したMarina Squareなど買い物にも便利だし、EsplanadeやOne Fullertonなど、個人的に気に入っているスポットにも近い。機会（と予算）があれば、再訪したいホテルである。

本当は、ホテル内にある超高級日本食レストラン「白石」も試してみたいところだが、これから日本に戻るというのに、そんなところで無駄遣いをしている場合じゃないと自制。

携帯電話、固定電話、インターネット接続、クレジットカード、定期口座、電気・水道の解約関係を片づける。

想定外だったのは、定期口座の解約。クレジットカードを作成した際、担保として作成した定期だったので、クレジットカードの解約後、45日経過しないと返金できないとのこと。言われてみればその通りだが、6年以上、一切支払い遅延無しで使用してきたカードなんだから、堅いこと言うなよ、と腹立たしくなる。この物入りな時期に、45日間手を付けられないお金があるというのは痛い。

インターネット接続も、2年契約の割引プランにしていたのが中途解約になるため、違約金で$400も取られてしまった。痛い。

9時半、日通シンガポールの作業員到着。日本に持って行く本、CD、衣類、日本人会に寄贈する本、同僚に譲る机を、次々と梱包。2時間もかからずに作業終了。結局、日本に送る箱は19個。全て船便。

12時、職場の同僚がPCと液晶ディスプレイを引き取りに来る。その後、荷物の無くなった部屋に残った細々とした不要物を廃棄。13時半、大家が清掃業者を引き連れて到着し、鍵・その他を引き渡した。事前の計画よりも前倒しで、引っ越し完了。ホテルへ移動する。

ケーブルTVの解約には、セットトップボックスを返却しなければならない。事前に返しに行く時間が取れなかったので、ホテルにチェックインした後、MRTでTampinesへ行った。無駄な動き方になってしまったが、大きなスーツケースを抱えて人混みの中に行くのは苦しい。

解約自体は問題なく完了したが、Tampines駅前のショッピングモールの中に、鼎泰豊が出店しているのを見つけ、仰天。いつの間にこんな郊外の住宅地にできたのだろうか？私が住んでいたのは、隣駅のSimeiだが、6年前、家賃の安さからSimeiを勧める現地庶務担当者に対し、「日本人だったら、少々高くても、Orchardに近いところの方が良いのでは」という反対の声があった。その時、彼女は私をTampines駅前のこのショッピングモールに連れて行き、「どうだ、ここが"Little Orchard"だ！」と言い放ったのだ。その時は笑い話だったのだが（結局、Simeiでの生活は大いに気に入った）、あの小龍包の有名店、鼎泰豊がOrchardに続き、ここに出店したということは、"Little Orchard"という呼称もあながち間違ってはいなかったのか？？