IN/OUT (2005.3.6)

先週末は、Bangalore出張でした。


in最近のIN

Blondie "The Party In The Park"05.03.01)

米国のベテラン・バンド、Blondieの公演を観に、Fort Canning Greenへ行ってきた。

1974年、ニューヨークで結成されたパンク系ポップバンド。フロントウーマンのDeborah Harryの妖艶な魅力で一世を風靡。しかし、1982年のアルバム"The Hunter"発表後は活動休止となり、Deborah Harryも色々と苦労を重ねたようだが、1999年、再結成アルバム"No Exit"で復活。2004年にも新作"The Curse of Blondie"を発表し、このコンサート・ツアー。エキセントリックな女性をボーカルに据えてヒット曲を出すバンドは数あるが、Blondieの息の長さには、なんだか凄みすら感じてしまう 。

会場のFort Canning Greenは、Fort Canning Parkの中にある芝生の広場だ。夜の野外コンサート。湿気がなければ快適なのだが、シンガポールの蒸し暑さだと、ビール片手の鑑賞とはいえ、いまいち爽快感が無い。

前座で、シンガポールの若手バンドが二組。どちらも、悪くは無いと思うのだが、会場は盛り上がらない。なんといっても、ステージ前のちょっと入場料が高いエリアは、観客の9割が欧米人。平均年齢、40+。懐メロを楽しみに来た白人おじさん & おばさんを相手に、シンガポール人若手バンドの奮闘が空回りするのも、いたしかたないところだろう。私としても彼らには、「今、君たちがかっこつけてやってるような音楽は、これから出演するBlondieなど、かつて先進的と言われていたバンドが、とっくにやってたんだよ」と、したり顔で言ってみたかったりして…

21時前、ようやく、お待ちかね、Blondieの登場。Deborah Harryの声は、ちょっと艶がなくなっているようにも感じるし、動きも控えめなような気もするが、1945年7月生まれ(ってことは、還暦!!)ということを考えれば、驚異的なステージだ。衣装も、ミニ・スカートで頑張っているし、放出するオーラの妖しさは、やはり只者じゃない。

と、書いているが、客観性を重視するなら、衰えを冷徹に指摘すべきなのかもしれない。なんと言っても、厚化粧した還暦のおばさまが率いるバンドだ。醜悪に感じる若い人もいるだろう。しかし、同時代的思い入れがあるだけに、私の目も耳も、Deborah Harry(大傑作マニア映画 "Videodrome"にも出演していたことも懐かしい)の前では曇ってしまうのである。還暦のおばあちゃん萌え、と揶揄されようがOKだ。そして、バンドの演奏は贔屓目じゃなくパワフル。作曲のGiorgio Moroder色が強く、彼女らのナンバーの中ではちょっと違和感のあるヒット曲"Call Me"が、よりパンクっぽい勢いのあるアレンジで演奏されたのも良かったし、マイ・フェイバリット"Rapture"の熱演も盛り上がった。やはり、ヒット曲の多いバンドの公演は楽しいし、Blondieの楽曲のポップさを改めて認識したが、なにより、生Debbie姐さんを間近に見られたことが嬉しかったのである。


Bangalore再訪05.03.03-05)

インドIT産業の中心地、バンガロールに二度目の出張に行ってきた。今回も、実質二日間の短期出張だったが、二時間ほど一人で市内を歩き回る時間があり、それなりに土地勘もできたし、町の空気を身近に感じることができた。

ガーデンシティとも呼ばれる、インドの中では美しい町だが、実際に徒歩で市内を巡るのは、かなり大変だ。一応、歩道は舗装されていても、実際にはガタガタ。しかも、街路樹が異常にでかく、ダイナミックに盛り上がった根が、さらに通行の邪魔になっている。そして、混沌の極みの車道。オートリクショー(三輪タクシー)とバイク、一般乗用車が車線を無視してひしめき合っている。信号の数は少なく、横断者は、車の間を縫うように走る抜けるのだが、初心者には難易度が高すぎる。二時間歩いただけで、ぐったりしてしまった。

それでも、綺麗なショッピング・センターがあったりして、外国人にも住みやすい町だと思う。一晩目の夕食は、"Dahlia(天竺牡丹)"という、日本料理屋を試してみた。店員は皆インド人だが、居酒屋用語も含め、かなり日本語能力が高い。出てくる料理も、それなりの物だ。食材の入手の難しさを考慮に入れれば、十分なクオリティだと言えるだろう。客層は、日本企業の駐在員や長期出張者らしき人達と西洋人家族連れが目立つ。

二晩目の夕食は、地元のインド人に推薦してもらった、Barton Centreの13階にある"Ebony"というレストラン("Ivory Tower"というホテルの一角にある)。メニューは、インド料理、タイ料理、西洋料理の混成。オープンエアの席からは、バンガロールの夜景が一望でき、とても気持ちよい。市内で一番高いビルが24階建てで、他に高いビルはほとんど無い。13階からの眺めでも十分なのだ。かなり高級店っぽい雰囲気で、お金持ち風の客が多いのだが、料理の値段自体はそれほど高くない。前菜とメイン、ビール一本で、一人500ルピーで十分だった。唯一の問題は、この店に限らず、インドの飲食店では、ディナー・タイムの開店が19時半、という所が多いことだ。我々の常識では、いくら何でも遅いと思うのだが、これが標準。所変われば、ということか。

いずれにせよ、飲食店の質・量とも、これまた外国人にはありがたい町だと思う。新しい空港と地下鉄の建設が予定されているので、それが順調に進めば、さらに便利な町に発展していきそうだ。



夕食後、飲みに行ったホテル内のパブに、驚いたことに「タイガー・レディ」がいました。バドワイザーの「バド・ガール」の、タイガー・ビール・バージョンです。タイガー・ビールはシンガポール産のビールで、タイガー・レディは拡販要員として、あちこちの飲食店にいるのですが、まさかインドにも進出していたとは!

町歩きの最中には、インド人から「君はシンガポールから来たのか?」と、いきなり話しかけられるし…(シンガポール関連のイベントか何かが開催されていたらしい。で、私のことを中華系シンガポール人と思ったとのこと)。どこにいってもシンガポールを背負ってしまうのは、業なのか、と思う今日この頃です。

因みに、今は、バンガロールから香港に移動したところ。