IN/OUT (2005.1.30)

熱帯暮らしの利点の一つが、服飾代が安く済むことですが、それでも出張なども有るわけで、冬服やスーツの類が全く必要無いわけじゃない。ということで、6年ぶりぐらいにスーツを一着、新調しました。

西洋人向けのブランドのショップで見立てたため、ジャケットの袖がそのままでは長過ぎでした。担当の店員は、腕の長さを念入りに測り「あなたは、左右の腕の長さが違うから、ぴったりになるように直してあげよう」と言っておりましたが…。仕上がってみると、両袖とも短すぎ。ううむ、まただ。


in最近のIN

"Hotel Rwanda" (05.1.29)

ルワンダ虐殺を題材にした映画を観てきた。
過去四回、アフリカ旅行をした私としては、この事件には大いに関心があり、フィリップ・ゴーレイヴィッチによるノンフィクション「ジェノサイドの丘」も読んでいた。それなりの事前知識有っての鑑賞だったのだが、それでも上映中、涙が止まらなかった。

ルワンダで高まっていたフツ族(Hutu)とツチ族(Tutsi)の緊張が、1994年4月、Habyarimana大統領の乗った飛行機が撃ち落とされたことをきっかけに爆発し、凄惨な虐殺が全国土を覆う。フツ族至上主義者達は、ラジオを通じツチ族を「ゴキブリ」と罵り、民衆を扇動し、ツチ族と、ツチ族に理解を示す穏健派フツ族の人達を殺戮していく。しかし、国際社会からは無視され、国連もほとんど頼りにならない。まさに、ジェノサイドと言うべき状況で、犠牲者は百日間で百万人近くと言われている。そんな中、ベルギー資本(Sabena系列)の四つ星ホテルDes Mille Collines Hotel, Kigaliのマネージャー、Paul Rusesabaginaは、、自分の家族、ホテル従業員、そしてフツ族・ツチ族を問わず避難してきた人達、合計1,268人をホテルに匿い、守り抜く。映画で描かれていることは、ほとんど事実に即していると思われる。

もちろん、Paul氏は「ジェノサイドの丘」でも重要な位置を占める実在の人物だ。彼は、決して、熱い人道主義者というわけではない。映画の中でも、初めは家族のことしか考えていなかったと描かれているし、皆を救うための手段は、綺麗事ではなかった。現金でもビールでも、賄賂に使える物は何でも使い、一流ホテルマネージャーとしての人脈と営業マン的テクニック、そして、たまたま切断されずに済んだホテルの電話・Fax回線を最大限駆使する。状況が、彼をヒーローにしてしまったのだ。

超一流ホテルという、普通の人々の生活の場とは別世界を舞台にし、ルワンダ人としては異例の出世を遂げたマネージャーを主人公にしたことは、隣人同士が殺し合ったという実際の悲惨さを減じてしまっているかもしれない。しかし、殺戮のセンセーショナルなだけの場面が続くよりは、全体像が見渡せるこの角度の方が良かっただろう。

映画は、とにかく、いつ皆殺しにされるか分からない極限状況が続くのだが、それでも随所に、ちょっとした笑いがあり、救われる。主演のDon Cheadle、妻役のSophie Okonedo、そして、国連軍の大佐役のNick Nolteら、俳優陣の演技も素晴らしい。ついでに、映画の公式サイトも、事実関係を簡潔にまとめているなど、中々良心的な作りだと思う。



今回の件に限らず、今まで私がこちらで服を直してもらって、ぴったりになったことがない。パンツも何本か買いましたが、採寸しているときは大丈夫と思っていても、いつも、短過ぎに仕上がってきます。

丈を調整するだけの話なので、コミュニケーション能力に問題があるためとも思われず。かといって、シンガポール人が丈を短くするのが好きかと言うと、別に、ちゃんとした長さのパンツや袖丈の服を着ている人がほとんどな訳で、これは何かの呪いだろうかとすら思う今日この頃です。