IN/OUT (2005.1.23)

先週は上海、続いてBangalore出張でした。


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上海を時速430Kmで駆ける (05.1.17)

リニア車内のスピード表示上海国際空港(浦東國際機場)から市内へ、Shanghai Maglev Train(上海磁浮列車)を利用した。世界初の商用磁気浮上式リニアモーターカー。最高時速は430Kmと聞くと、わくわくする。しかし、路線は30Kmしかなく、所要時間は7分20秒と知ると、ちょっとがっかりする。

3時過ぎに到着した浦東の空港ロビーは大混雑していたが、5分ほど歩いたところにあるリニアの駅は空いている。新しくてきれいな駅だが、切符販売の窓口も、自動改札も、プラットホームも、至極普通で、サイバーだとか未来的だとかという印象は全く無い。運賃は50元(VIP車両だと100元)。ホームから下を覗くと、普通の鉄道のようなレールは無く、一見、モノレールのようだ。15分ほど待ち、列車が到着した。車内の垢抜けないデザインが、いかにも中国らしい。

走り始めると、前方に掲げられたスピード表示がみるみるうちに上がっていく。座席の背に押しつけられるような加速度は体感しないのだが。通常の列車では考えられないような勢いで、あっという間に200Km/hを超え、300Km/hを超えてしまう。車輪の振動は無いが、左右には結構揺れる。車内の騒音レベルも意外に高い。機構上、回転部分は無いはずだし、摩擦が発生するところも無いと思う。どこから、あの唸るような音が生じているのだろう?

最高速の430Km/hに達し、ちょっと走ると減速し始める。ずいぶんゆっくりになったなと思って表示を見ると、まだ200Km/h超。スピードにはすぐに慣れてしまうものだなぁ、などと考えているうちに、さっさと終着駅に到着。実にあっけない。

残念なことに、このリニア線は市内中心部までは走行していない。実用性や採算性よりも、国家威信の発揚や対外イメージの向上を重視した「デモンストレーション路線」なのだろう。宿泊するホテルまでは、龍陽路站から地下鉄二号線に乗り換え、さらにタクシーを使う必要があり、リニアに乗っていた時間のさらに何倍もかかることになってしまった。体験としては楽しかったが、空港へのアクセスとして利用するには、ちょっと不便だ。


初バンガロール (05.1.20-22)

Bangaloreは、町の中心にも大きな庭園がある緑の多い町並みから「ガーデン・シティ」と呼ばれ、また、世界中のソフトウェア産業・IT産業が進出していることから「インドのシリコンバレー」とも呼ばれている。インドの南部に位置しているが、1000m近い標高で比較的過ごしやすい気候である。私にとっては今回が初めての訪問だ。

町に到着しての第一印象は、インド的雰囲気が希薄だということ。デリーやムンバイでは、強烈で濃厚なインド独特の匂いが視覚・聴覚・臭覚を刺激するのだが、バンガロール中心部の商店などを見ていると、なんだか「普通」なのだ。多国籍企業の進出の結果こうなったのか、あるいはこうした雰囲気が諸外国からの進出を招いたのか分からないが、非インド人にも暮らしやすい町だと思われる。

しかし、近年の急速な発展にインフラが全く追いついていないのも事実だ。まず、空港がしょぼい。これだけ世界中の企業が進出しているのに、国際線ターミナルはとても小さい。ゲートは実質一つだけ。ラウンジが無いどころか、普通の食堂すら無い(国内線ターミナルの方に、一軒、食堂があるが、メニューは悲しいほど貧弱だ)。離陸時刻が遅れても、何のアナウンスも無いなど、利用者へのサービス意識もまだまだだ。空港から市内までは、それほど離れていないのだが、道路が恒常的に渋滞している。新しい国際空港の建設プロジェクトがスタートしたそうなので、何年先になるかわからないが、そちらに期待である。

町中の道路も、整備が遅れているようで、渋滞しがちだ。信号機ではなく、警察官による交通整理が行われている交差点も多い。バスと三輪タクシーが公共交通機関だが、どちらも出張者には使いづらい。滞在中は、ホテルでドライバーと車をアレンジしてもらって移動していたが、これでは結構な出費になってしまう。

何より困ったのが、ホテルの数が圧倒的に不足していることだ。どこもかしこも満室で、結局、市内で最も高級と言われているホテルしか確保できなかった。確かに、部屋は広くて清潔、インターネット接続も完備し、スタッフの応対も悪くない。庭園とプール、重厚な雰囲気のバーと高級レストランがある。さらに、地下に綺麗で高級感溢れるショッピングセンターもある。インドにいることを全く意識させない素晴らしい世界だが、この値段では定宿にする訳にはいかない。今後もバンガロール出張の機会はありそうなので、リーズナブルな宿と市内移動の方法を見つけることが急務だ。

先週、立て続けに訪問した上海とバンガロールは、アジアの都市で最も経済的に注目を浴びている所だろう。上海の発展ぶりは本当に大したもので、北京やシンセンなど他の中国の大都市とは完全に一線を画している。既に、世界でも一流の大都会だろう。一方、バンガロールは、インドの中では進んでいる方だろうが、まだまだ発展途上という感じだ。しかし、当面、この発展がストップするとは思われず、今後、どのような町に育っていくのか楽しみである。



Bangaloreへは、Indian Airlinesを利用しました。前回のインド出張で利用したインド国内線のJet Airwaysが比較的好印象だったので、インドの航空会社のレベルは上がっているのかと思っていましたが、今回はちょっと期待はずれでした。

機内エンターテインメントは無し。リクライニング・ボタンを押さなくても、もたれかかるだけで倒れてしまう座席の背。まあ、安全に飛んでくれれば、機内がぼろいのは仕方ないか…

バンガロール空港では、定刻が過ぎても、まったく搭乗が始まる気配無し。外国人旅行者達がイライラする中、インド人の乗客たちは悠然と構えています。結局、離陸予定の15分後ぐらいになって、ようやくパイロットとキャビン・アテンダントが機内に向かうという悠長さ。それまで、仕事で会ったインド人は時間を厳守する人ばかりだったので、ちょっと意外です。っていうか、アナウンスぐらいしてくれよ。

そして、このキャビン・アテンダント。皆様、恰幅の良ろしいおばさまばかり。若くてチャーミングなスチュワーデスを期待するのは、時代錯誤なオヤジ的嗜好で、よろしくないと理性では分かっているものの、ねぇ…。こういう年齢・体格の女性が、事務的・機能的な制服に身を包んでいるなら文句は言わないのだが、サリー風の衣装からたるみきったお腹を大胆に露出させているのは、非インド人の目には、ちょっとツライっすよ。