IN/OUT (2005.1.9)

オフィスの入り口からクリスマス・ツリーが撤去され、代わりに、Chinese New Yearを祝う赤いパイナップル型飾り物が吊されるようになりました。2月9日が旧正月なので、まだ一ヶ月ありますが、酉年に因んだ縁起物を売る店も目立つようになってきました。日本の年末のような「押し迫った」感は全くないまま、ただただお祝いムードの正月気分が盛り上がりつつある今日この頃です。


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"Botero in Singapore" (05.1.9)

当地にて開催中の、Fernando Boteroの作品展を見てきた。

Cat, in fron of SAM思いっきりデフォルメされた、豊満というか、太っちょというか、ボリューム感溢れる人物画や彫刻で有名な、コロンビア出身の芸術家、Fernando Boteroの諸作を、Singapore Art MuseumやEsplanade Parkに展示する総合的な作品展だ。因みに、シンガポールでは、UOB Plazaの前に、彫刻 "Bird" が設置されていて、彼の作品は以前から多くの人の目に触れているのだが、その名前を知っている人は少ないようだ。この機会に知名度があがるだろうか。

Singapore Art Museumには、油彩、水彩、鉛筆画など、かなりの量の絵画と、入り口と中庭に二つの彫刻が置かれている。人物だけでなく、動物も骸骨も、果ては静物画の中の果物にいたるまで、とにかく何もかも愛嬌たっぷりに太っている絵画は、素朴なユーモアに溢れているようでいて、なんだかすごく真面目な雰囲気も漂っている。小雨交じりの日曜の午前中だが、意外に白人観光客の姿が目立った。

Maternity, at Esplanade ParkSingapore River沿いのEsplanade Parkには、17の彫刻がある。緑の公園、高層ビル群、さらにマーライオンを背景にした彫刻群は、しっかり風景に溶け込んでいて、日常に紛れ込んだ非日常という感じだ。この、あちこちに点在している、という感覚が面白い。美術館で見るよりも、さらに楽しい。なお、今回、全部で20の彫刻が運び込まれていて、あと一点がSuntec Cityに置かれている。先に美術館に行って、彫刻の設置場所の地図をもらっておくとよろしいかと。

Leda and the Swan, and Merlion良識有る日本人なら誰しも「名は体を表すと言うとおり、ボッテロした…」と駄洒落を飛ばすに違いない、特徴有る作風だ。その裏に込められた何かがあるのかもしれないが、Botero本人が、「芸術にメッセージは不要」と発言しているそうだ。私のように、「でぶだなー、丸いなー」と、ただ面白がって眺めるのが正しく、楽しい鑑賞法なのだ(と思う)。



クリスマス・カラーから一転、派手派手な赤と金色の中華正月カラーと、能天気中華正月ソングが溢れる街角。すっかりシンガポールに馴染んだ私ですが、この中華美意識を無条件に受け容れるのは、まだ難しい…