IN/OUT (2005.1.2)

雨が続き、(シンガポール的には)肌寒い正月です。

旧暦のChinese New Yearの方を重視するお国柄とはいえ、2000年、2001年の、ミレニアムだ、新世紀だと騒いでいた頃など、それなりに年越しで盛り上がっていたのですが、今年は平穏なものでした。大晦日の夜、ザッピングしていたTVでも、ローカル局では特に年越し番組もなく、以前は行われていたカウントダウン・パーティーの中継も無し。目立つのは地震・津波関連の報道ばかり。唯一、ご陽気に騒いでいたのが、NHKの紅白、という感じでした。


in最近のIN

"功夫(Kung Fu Hustle)" (05.1.2)

周星馳(Stephen Chow)、監督・主演の映画を観てきた。

大の李小龍(Bruce Lee)ファンとして有名な周星馳が、前作「少林足球」の世界的成功で得た大幅アップの予算を、カンフーを題材にした映画に注ぎ込む! ということから高まる期待に、それなりに応えてくれる映画だとは思う。"No more soccer"とサッカーボールを踏みつぶす、「少林足球」を超えるとの意気込みが溢れたオープニングから、前作以上の荒唐無稽さでワイヤーアクションとCGの無駄遣い(誉め言葉)を繰り出しつつ、ベタなギャグと、ベタなギャグと、取って付けたような人情話と、ベタなギャグが続く。このベタさが中華系の人達のツボを突くらしく、場内爆笑の連続なのだが、あまりのひねりの無さに、私にはせいぜい微笑ぐらいだ。

肝腎の格闘シーンは、笑いとアクションのバランスも良く、お約束の無理矢理なワイヤーアクションも楽しいのだが、なんだか予想の範囲内という気もする。それにしても、"Lion Roar"って、カンフーの技なのか?

日本の少年漫画の影響だろうか、敵も味方も無限に強くなっていくパワーのインフレ現象。あまりにもぞんざいなストーリー。そして、非現実的に無垢なヒロイン(それを強調するため、ハンディキャップのある設定だ)。ある意味、周星馳らしいこれらの要素を許せるかどうかが評価の分かれ目だろう。私としては、普段なら駄作だと切り捨てるかもしれないが、まぁ、能天気お正月映画としては許容範囲か。コメディ映画は予算をかけたから面白くなる訳ではないなぁ、と実感。



シンガポールは地質が安定していることと、スマトラ島自体が津波を遮る位置にあるため、震源地までの直線距離では近いものの、全く被害はありませんでした。しかし、Holiday Seasonの真っ只中、多くのシンガポール人も、そして、当地の在留邦人も災害に巻き込まれてしまったようです。

学校は既に休みになっているし、お正月、日本に里帰りする前にリゾートで休日を、ということで、この時期、プーケットやモルジブに出かけていた在留邦人は少なくなかったはずです。その中には、団体ツアーではなく、航空券とホテルを自分で手配した人も多かったでしょう。プーケットなんか、ほんと、ご近所ですから。しかし、NHKのニュースやインターネット上の日本メディアの報道では、当初、日本発の団体ツアーに参加している人の安否情報ばかりが伝えられていました。もちろん、ただでさえ混乱している現地からの情報に、不正確な個人旅行者の行方不明情報まで加えてしまうと、大混乱を招くという判断があったのでしょう。しかし、今でも、行方不明者に関する報道が非常に少ない状況を見ると、自分自身が旅行に出かけるときは、もっぱら航空券とホテルを直接予約していることもあり、なんだか釈然としないのです。