IN/OUT (2004.12.19)

ということで、先週は矢野顕子のコンサート(と公演後のオフ会)を主目的に、東京と名古屋に行っていました。

シンガポールの多くの企業では、1〜12月の期間で公休をカウントし、余った日数の翌年繰り越しや買い取りをしていないところが多く、必然、12月は公休消化のため休みを取る従業員が多発。我がオフィスでも半分ぐらい休んでいるような状態です。私自身は、やむにやまれぬ事情とはいえ、あまり他人に吹聴するような事でもなく、もごもごと「いや、先週はちょっと休みを…」などと言うと、「さすが在星歴が長いと、この時期に公休消化ですか?」と訊かれたりもして…。いや、一応、出向者の身分であって、現地採用扱いに切り替わった訳じゃありませんので。


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Shopping in Japan (04.12.11-15)

バタバタしていたため、出発直前になってから冬物のパンツを確認してみたところ、黴臭くなっているか、ウェストがきつくなっているかで、日頃穿いているジーンズ以外にまともな物が無い。新しい冬物を買う機会が無いため、長袖シャツやセーターの類のストックも寂しいことになっている(コートが黴びていなかったのが幸いだった)。

金曜の夜行便で、土曜の早朝に成田に到着。ホテルでアーリー・チェックインをさせてもらって一休み後、直ちに新宿伊勢丹に向かった。お気に入りのブランドのショップで、シャツ、カーディガン、パンツ、ついでにベルトも、一気に大人買いの暴挙に出る。私服はTシャツのみの国から来ると、あれこれ組み合わせを考えた洋服選びが楽しくて、ついつい…。到着後数時間で、ここまで散財する予定は無かったのだが…。一時帰国者なので、消費税の還付を受けられるのが、一応の気休みになる。

今回の訪日で買いたかった新しいiPAQが、量販店では流通していないということなので、これは早々に購入を諦めた。東芝製のPocket PCなら店頭で買えたのだが、歴代のiPAQを使い続けてきているので、HP-Compaqに操を立てることにする。というか、ちょっと財布の紐を引き締めなければならない。次の機会に、通販を利用して申し込んでおくことにしよう。

もう一つ、大物としては、デジタル一眼カメラが欲しかった。メンテナンスの心配があって、海外だと手を出しにくいと思っていたデジタル一眼だが、オリンパスのE-300なら、ダスト・リダクション・システムが搭載されているので安心感が高いと考えていた。しかし、初日の散財でやや腰が引けてしまう。東京と名古屋のビック・カメラで何度も手に取りながら延々と悩むが、結局、諦めた。あそこで店員に声をかけられるとか、誰か一緒に行った人が背中を押すかすれば、即座にクレジット・カードを取り出していたと思うのだが…。まぁ、タイミングが合わないときはこういうものか。

そのほか、日本に来たときのお約束で、本を何冊かと、ヘッドの小さい歯ブラシを大量に購入。E-300などは、やはり買っておけば、という気もしているが、とりあえず欲しかった物のうち、必要性の高い物は買えているし、まぁ、良しとするか。


Eating in Japan (04.12.11-15)

日本に来たときの楽しみと言えば、買い物と食べ物である。今回は、四泊の滞在中、三晩はコンサートを観に行き、オフ会もあったりしたので、食に関しても超満喫とはいかなかったが、それなりに楽しめた。

日曜の昼食には、表参道でガレットなる物を食した。そば粉で作った、甘くないクレープだそうだ。中に、チーズと生ハムを入れた物を試したが、中々結構。しかしまあ、店の性格と、表参道という場所柄か、客に占める白人比率が高く、また、店員にもフランス人がいる。ネイティブ・フランス人に向かって、メニューに書かれたフランス語料理名をカタカナ読みするのも、なんか悔しいので、「これっ」と指さしてオーダー。それにしても、東京って街には世界中のありとあらゆる物が集まっているよなぁ。

月曜の昼食は、竹葉亭で鯛茶漬け。これまた、美味し。竹葉亭はシンガポールにも出店しているのだが、やはり、日本の店の方が圧倒的においしいと思う。

月曜の午後、コンサート・スケジュールに合わせて名古屋に移動。夕食は駅ビルで味噌カツ。シンガポールのとん吉で食べる味噌カツよりも、味噌の味がこってりと甘辛い。

そして、火曜の昼、今回一番楽しみにしていた「いば昇」のひつまぶし。「いば昇」の他に「蓬莱軒」もひつまぶしの元祖を名乗っている(商標も登録してしまった)ようだが、調べたところ、茶漬けに使うのが、蓬莱軒はだし汁で、いば昇はお茶らしい。竹葉亭の鯛茶漬けもそうだったが、こういう食べ方の場合、私は断固、お茶を支持する者である。

ということで、いば昇。有名な老舗の割には、外観はしょぼいというか、庶民派。12時ちょうどぐらいに、古い引き戸を開け中に入ったが、店内には既に行列ができていた。観光客と、出張者を案内してきた地元企業の人、そしてご近所のおじさん、おばさんが混じり合った客層である。待つこと20分ほどで座ることができ、ビールの小瓶とひつまぶしを注文。

関西風の、蒸し工程の無い蒲焼きの香ばしさが良い。ひつまぶしの三つの食べ方、そのままでも、ネギとわさびを混ぜても、そしてお茶漬けでも、どれも美味しい。冷静に考えると、細かく刻むことで鰻自体の食感を台無しにしているようでもあるし、薬味を足したり、お茶をかけたりして味を殺してしまっているようにも思う。鰻本来の味を堪能する高級料理というよりは、質の落ちた鰻を使ってもおいしく食べられる、B級寄りのメニューなのかもしれない。しかし、うまい物は美味い。有名店だが、店員さんの応対も気さくで気持ちよく、良い店だった。



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崩壊しつつある我が家 (04.12.10)

今のコンドミニアムに住んで、6年目。入居したときは新築だったが、さすがに、あちこちガタが目立ち始めてきた。

出勤前、突然、洗面所の蛇口がきちんと締まらなくなった。出続ける水は、ジャージャーではなく、かといってポタポタでもなく、チョロチョロ程度(稚拙な表現だが、状況を英語で説明する際、私の語学力では、まさにこの調子&手振りだったのだ)。放っておくと、水道代がとんでもないことになりそうだし、この日の夜、日本へ出発する予定だったので、修理は急を要する。

しかし、どこに依頼すれば良いのか、よく分からない。まぁ、ジャージャーじゃなくチョロチョロなので大丈夫かと、一旦職場に行き、シンガポール人スタッフに相談。配管工なんて単語、とっさに思い出せないものだが、無事、"plumber"を紹介してもらった。

幸い、昼休みの時間帯に来てくれるというので、頃合いを見計らって自宅に戻った。ほどなく、マレー系の修理工二人組到着。蛇口そのものを取り替えてしまうという方針で修理に臨むようだが、新しい蛇口は、従来の物と全く形が違う。大家に無断で替えてしまって良いのかという心配が一瞬頭をよぎるが、話をややこしくして今夜の飛行機に乗りそびれる訳にはいかない。

いざ作業が始まってみると、どうも我が家の洗面台は作業スペースが狭く、メンテナンス性に欠けるらしい。かなり苦戦しつつも元の蛇口を取り外し、さあ新蛇口を、というところで、さらなる困難に直面。新しい蛇口の大きさが合わず、元の穴に収まらないのだ。ここで、配管工二人組は電動ドリルを持ち出し、洗面台の穴を拡張するという荒業に出た。今度こそ、大家に無断でこんな事をして大丈夫かと心配になったが、やはり、話をややこしくして今夜の飛行機に乗りそびれる訳にはいかないのである。

結局、蛇口を一個取り替えるのに一時間半を要した。レバー式の新蛇口の機構上、洗面台に元々付いていたお湯と水、二つのハンドルが無用の長物と化しているのが、なんだか間抜けだ(超芸術トマソン的風情を醸し出しているとも言える)。



今回が二度目の名古屋でしたが、東京、大阪に次ぐ大都市で、歴史もあり、独自の文化も豊かなのに、どうも外部の人間には印象の薄い所です。

名古屋の丸善で購入した、村上春樹・吉本由美・都築恭一による「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」でも「魔都」として紹介されています。名古屋に行く前に読んでいたら、訪れる場所、店が変わっていたかも。良いか悪いかは別にして。

お役ご免間際の名古屋空港国際線ターミナルは、現状の利用者数に比して絶望的に処理能力が不足しているようで、チェックインカウンターに辿り着く前から、預ける荷物のセキュリティ・チェックのために大行列。チェックインの後には、機内持ち込み手荷物のセキュリティ・チェックで、またも大々行列。出国審査を済ませラウンジにたどり着くまで、一時間ぐらいかかってしまいました。しかも、その行列の中「知り合いが先に行っちゃっているから」と言い訳するおばさんや、「良いの良いの割り込んじゃえば」と、フィリピン人女性数名を引率する女衒風のおじさんやらが、どんどん横から入ってくる。名古屋の方には申し訳ないが、印象悪っ!

一方、シンガポール到着では、出口近くの席に座っていたこと、到着ゲートがイミグレーションに近かったこと、タクシー待ちの行列が出来ていなかったことなど好条件が重なり、ベルト着用サインが消えてから、20分もかからずに自宅に到着という記録的スムーズさ。ビバ・シンガポール!