IN/OUT (2004.10.24)

日本からの報道を見るにつけ、当地の自然災害の少なさを改めて実感します。

地震、台風とは無縁。赤道直下の熱帯だけに、集中的に降る雷雨の激しさは凄まじく、地域によっては道路が冠水したりすることはあります。しかし、山らしい山も無い小さな島なので、土砂災害や河川の氾濫による大規模な浸水などは、まずあり得ない。季節感が無いと文句をつけることの多い当地の気候ですが、これはこれで、ありがたく思うべきなのでしょう。

季節が変わると言えるほどの大きな変化でもありませんが、そろそろ、雨が多く、気温がそれほど上がらない時期になります。そうすると、きっちり、風邪を引く人が増える訳で、人体ってのは律儀な物だと感じたりもします。


in最近のIN

"made in Singapore! 2004" (04.10.22)

シンガポール出身の歌手によるイベントを観に、Esplanade Concert Hallへ行ってきた。

プログラムによれば「経済実績、行政の効率性、政治的リーダーシップでは成功を収めているシンガポールだが、アートやエンターテインメントの分野ではどうなのか?シンガポールを創造的活動の中心地として発展させるためには何をすべきなのか!」ということで、シンガポール出身のベテランから若手のアーチストを一同に集めた公演を三日間に渡って行うという企画。その初日である。

しかしながら、今日の公演の参加者13名の中に、私が知っている名前は皆無(翌日の公演なら、Dick Leeが登場するのだが…)。また、現在、海外で一番成功していると思われるシンガポール人歌手、Stefanie Sun(孫燕姿 / Yan Zi)もいない。観客席には空席が目立つ。開演前から不安である。

まずは、40年前、独立の頃の人気歌手らが登場。歌は意外に上手いのだが、芸能人とは思えないオーラの無さだ。こういうタイプの歌手だと、共に歩んできたという歴史を分かち合える観客じゃないと、共感を覚えないだろう。一方、"Parking Lot Pimp"ら若手のパフォーマンスは、学生バンドに毛の生えた程度の拙さで、これは見に来て失敗だったかという気になりかける。

しかし、玉石混淆というか、石玉石石混淆というか、時折、はっと思わせるミュージシャンが登場するところが侮れない。特に、マレー系のベテラン・ロック歌手、Ramli Saripの存在感には驚いた。"Papa Rock"の異名の通り、まさにロック親父。骨太のサウンドに痺れた。若手では、今、台湾などで売り出し中のシンガーソングライター、J J Lin(林俊傑 )が元気だ。聞きやすいチャイニーズ・ポップで、それほど個性は強くないが、今日の出演者の中ではずば抜けて「芸能人らしい」オーラを放っている。

そうこうしているうちに、最初は「さむい」と思っていた司会進行のAdrian PangとKumarのジョークが面白く感じられてくる。シンガポールのエンターテインメント界が実は奥深かったのか、私の感性がすっかりシンガポール・サイズにシュリンクしたのか?



今から空港へ。そのまま連続出張になるので、来週は更新できるかどうか不明です。

ブログやソーシャル・ネットワークが隆盛を誇る今日この頃、すっかり古色蒼然 たるページになってしまったという気もしますが、まぁ、ぼちぼちと。