IN/OUT (2004.10.10)

先週書いた、隣のビルのフードコート。偶然にも、絶妙のタイミングで復活しました。経営者はこのサイトを見ていたのか? ← な訳は無い。

月〜金の昼食時以外はほとんど客が入らず、客一人当たりの単価は3.5ドル=250円程度。オフィスビル内の、この厳しい条件では、不人気店はあっという間に撤退してしまいます。とにかく新規オープンの今のうちに、全店制覇しなければ!


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"Exorcist: The Beginning" (04.10.9)

伝説的オカルト映画シリーズの新作を観てきた。

1973年の"The Exorcist"は、William Friedkin、1977年の"Exorcist II: The Heretic"はJohn Boorman。どちらも癖の強い監督の作品で、単なるオカルト映画の枠を超えた、善と悪の本質を突きつけてくる傑作だと思う。特に、"Exorcist II: The Heretic"は、とても印象深く、(傑作とは言えないが)個人的には最も好きな映画の中の一本だ。しかし、原作者、William Peter Blattyは、この"II"が嫌いで、自ら"The Exorcist III"を監督したらしい。逆に言えば、きっと"III"は、私には気に入らないだろうと思い、未見である。

さて、新作、"Exorcist: The Beginning"である。期待はできないと思いつつも"The Beginning"と副題が付いちゃうと、一・二作目のファンとしては観とかないとなぁ、と思ってしまう(製作者の思うつぼである)。

いやはや、映画館を出て三歩歩けばすっかり内容を忘れてしまうような駄作だった。

物語の枠組み自体は、きちんと一作目につながるようになっていて、"The Beginning"のサブタイトルにふさわしい。しかし、アクション映画ではそれなりに評価されているRenny Harlin監督だが、ホラーの演出は苦手だったようだ。一応、恐怖心を煽るような思わせぶりなシーンは多いが、あまりにもわざとらしくて、馬鹿馬鹿しくなっても、怖くはない。

旧作が持っていたような思索的な奥行きは皆無。取って付けたようなどんでん返しと、ラストの大立ち回り。完全に、ハリウッド能天気娯楽活劇の文法に則った作品で、こんなもの「エクソシスト」じゃないや! 金返せ!と憤る。

そもそも、究極の悪、という割には、このシリーズに登場する悪魔Pazuzuって、それほどスケールの大きい悪事を行う訳でも無いんだよなぁ。だからこそ、一・二作目のような神学論争的アプローチが効果的だった訳で、アクション映画の敵役には不向きなんだと思う。Renny Harlin監督ら製作陣は、あくまでもホラー映画のつもりなのかもしれないが、これは三流のアクション映画だろう。



邪推するに、早々と撤退するような不人気店も、すぐに別のフードコート内に再出店し、新しもの好きの客を集める。で、あまり美味しくないことがばれて客足が途絶えると、さっさと次のフードコートへ、ということを繰り返しているのかも…。いや、そうに違いない。

それにしても、最近は食べ物絡みのことを書くことが、我ながら多いなぁ。