IN/OUT (2004.9.12)

8月18日から、鳥インフルエンザの影響で、マレーシアからの鶏肉や卵の輸入が禁止されています。これまでも、中国、カナダ、南アフリカなどが対象になったことがありましたが、マレーシアからは、毎日、120,000羽の鶏、20,000羽のアヒル、2,000,000個の卵を輸入していただけに(シンガポールで消費される鶏肉の半分と卵の2/3に相当)、大きなインパクトとなっています。

他国から輸入される冷凍肉で鶏肉の方はカバーできているようですが、卵は品薄となり値段も上がっています。フードコートでは、焼きめしに乗っかっていた卵焼きや、ラーメンに入っていた卵が無くなるという、悲しい状況になっています。BSE、豚からのニパ・ウィルス感染、鳥インフルエンザと、次から次に発生する家畜の伝染病に、食糧自給率の低いシンガポールは振り回されっぱなしという感じがします。

スーパーマーケットでは、一人あたりの卵の購入数に制限がかかっていますが、私が買い物に行く週末の夕方では、たいてい、売り切れ。卵が冷蔵庫に常備されていないという状況も、結構、悲しい。


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「しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる」 (04.9.9)

NYの人気イラストレーター Maira Kalmanの "Fireboat: The Heroic Adventures of the John J. Harvey"を、矢野顕子が翻訳した絵本を入手した。

矢野顕子が翻訳、というのが購入のきっかけだったが、そういうのを抜きにして、良い作品だった。

1931年からハドソン川で活躍し、その後スクラップ寸前になった消防艇が、有志の力で買い取られ、維持される。そして、9/11のテロが起こり…。という概要を聞いたときに想像した、船を擬人化したお子様向け読み物とは全く違う。押しつけがましさは無いが、登場人物、作者自身、そして訳者も含め、ニューヨークを愛する人達の息吹が真っ直ぐに伝わってくる。

日本からの通販ついでに、「ギャルトン事件(ロス・マクドナルド)」、「アフターダーク(村上春樹)」、「ナイン・インタビューズ(柴田元幸)」、「ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判〈2〉(町山智浩・柳下毅一郎)」等も購入。



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"Three... Extremes" (04.9.11)

日本、香港、韓国の三人の監督によるオムニバス・ホラー映画を観てきた。漢字タイトルは「三更2」。この前に"Three"という、韓国、タイ、香港の三監督によるオムニバスがあり、その続編ということらしい。

日本編は、三池崇史監督、長谷川京子主演の「BOX(盒葬)」。香港編は、Fruit Chan(陳果)監督の「Dumplings(餃子)」。韓国編が、Park Chan Wook監督の「CUT(割愛)」。それぞれ、国というか監督の個性が良く出ている。

日本編は、江戸川乱歩的な悪夢の世界。やや、もったいを付け過ぎで、テンポに欠けると思う。オチの強引さは、さすが三池監督、という感じだが、ちょっとなぁ…

香港編は、舞台となっている香港 & シンセン地域なら本当にありそうな、都市伝説。話の展開が読めてしまうのが難点だが、ストーリー自体は、三本の中で一番しっかりしていると感じた。

韓国編は、サイコ・ホラー。さすが、韓流で乗っているお国だけに、演出の勢いとか、色彩の凝り具合が面白かったが、私には、いささか、猟奇的でグロ過ぎる。

結局、三本とも、あまり私好みのホラーでは無く、残念。全体に、下品に偏っているんじゃないかなぁ。



常備系食料については、日本製の肉加工食品(レトルト・カレー、冷凍食品の餃子やハンバーグ、カップラーメン等々)が入手できない状況も続いています。

食肉関連の輸入には、当局による製造工場の立ち入り検査が義務づけられているのですが、昔は無認可の物も、結構、黙認されていた。それが、厳格に適用されるようになったのが、三年前。実は、どこのメーカーも検査を受けてなかったようです。もちろん、検査を受けて認可さえ取れば輸入再開できる訳ですが、日本の食品メーカーは、この小さなマーケットのためにそんな手間はかけてくれないようです。(これとは別に、日本産の牛肉は、BSEの問題で輸入できず

で、香港出張に行くと、日系のスーパーマーケットで肉入りレトルトカレーを買えるのが嬉しかったりします。これがまた、充実の品揃え。「水野家が作りたかったインドカレー」まで売っているとは!