IN/OUT (2004.7.25)

GSM方式の携帯電話を使うシンガポールから日本の独自規格の携帯電話を見ていると、ずいぶんと独特の("電話"という観点からすると、ヘンテコな)進化を遂げているな、と感じていたのですが、このところ、GSM携帯も日本風の機能を急速に取り入れつつあるようです。メール機能がここ数年ですっかり普及したのに続き、カメラ付き携帯がかなり広まってきました。

そうなると、「盗撮」が社会問題化するのも日本と同じ。最近の新聞紙面には、この問題を指摘する記事が何度も出ています。

どの記事も、盗撮の犯罪性を糾弾すると同時に、女性が著しく肌を露出した格好で公共交通機関に乗っている現状も指摘しているのが、熱帯らしいと言えるかもしれません。こちらの男性諸氏はああいうのは見慣れて、なんとも感じなくなっているのかと思っていましたが、決してそんなことは無く、煩悩は万国共通のようです。


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RIMOWAとKaya Toast (04.7.24)

Orchardのショッピング・モール、Ngee Ann Cityにあった、Rimowaの鞄・ケースを扱っている店が無くなっていた。紀伊国屋に行くと、どうしても前を通ってしまうので、そのたびに物欲を抑えるのに苦労していた(というか、抑えきれずに六つも買ってしまっているが…)ので、これはこれで良しと思っていたのだが、何のことは無い、同じOrchardの別のショッピング・モール、Delfi Orchardに移転しているのを発見してしまった。新しい店の方が、以前より品揃えも増えているようだ。

耐久性や使い勝手など、決してパーファクトでは無いと思うのだが、どうもデザインが私のツボを突くようで、おや、こんな新作が、と見ているうちに、さらに一個、機内持ち込み用の小型軽量ケースを購入。いわゆるブランド品ショッピングには、とんと興味が無いのだが、この鞄だけは鬼門である。

ジャンルは全く異なるが、ここ最近、シンガポールで気に入っている店の一つが、Ya Kun Kaya Toastだ。昔からカヤ・トーストの有名店だったが、最近になって、すごい勢いでフランチャイズ店を増やしている。今や、asahi.comでも紹介されるほどだ。

卵とココナッツを主原料にしたペースト=カヤを、炭火焼きしたパンにバターと共に付けて食べるのが、カヤ・トースト。これにポーチド・エッグとコンデンス・ミルクの入ったコーヒーのセット・メニューが基本。このコーヒーが甘すぎるのと、全体的にハイ・カロリーなのが気になる所だが、サクサクしたトーストと、まったり・こってりしたカヤの取り合わせが絶妙で旨いっす。このところ、週末の朝食は、もっぱらここである。



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"I, Robot" (04.7.24)

Will Smith主演のSF映画を観てきた。

映画のクレジットに"suggested by book"としてIsaac Asimovの名前が挙がっているように、彼の傑作短編集「われはロボット(原題:"I, Robot" 1950年)」と同名の映画である。この短編集は、ロボット工学三原則を有名にした名作であると同時に、後の「鋼鉄都市」など一連のロボット物、さらに(執筆時には作者本人も予想していなかっただろうが)「ファウンデーション・シリーズ」へと続くAsimov博士の大河未来ドラマの起点となる歴史的作品だ。熱心なAsimov読者では無い私だが、このタイトルを冠した作品なら、さぞかし力の入った映画になっているだろうと期待して見に行った。しかし…

浅い。あまりにも浅い。結局の所、エグゼクティブ・プロデューサーも務めたWill Smithをかっこよく映すことだけを目的とした映画なのだろう。そういう意味では、スタイリッシュな映像と評されるAlex Proyas監督の起用は妥当かと思われるが、今回は空回りだ。あざといくらいにかっこをつけたWill Smithのシーンは多いが、困ったことに、私には単なるお馬鹿者にしか見えない。過去に他の映画で見たことのあるような映像やセリフばかりが目立つ。SF的なガジェットにしても、既視感のある物ばかりで、オリジナリティが感じられない。見終わってから、これだけ腹立たしく感じた映画も久しぶりだ。Asimov博士がご存命であれば、こんな映画の企画にゴー・サインを出しただろうか?

因みに、"I, Robot"というタイトルの響きから、Appleの"iMac"を連想するのは私だけでは無いだろう。この映画に登場するロボットのデザインは、どことなくiMac(二代目の液晶モデル)を想像させると思うのも、私だけでは無いのではないだろうか?



困ったことに、携帯電話に付属しているゲーム機能も、ますます向上しています。NOKIAのN-Gageは極端としても、ほとんどの携帯電話にゲーム機能が装備されているようで(日本のi-modeに相当するようなサービスは普及していないけど)、電車内などでゲームに興じている人を多々見かけます。何が困るかと言うと、公共の場でもゲームの効果音を鳴らすことに躊躇しない人がほとんどなのです。さすが、騒音に無頓着な人が多いお国柄。これ、通勤電車内でやられると、私には非常に気になるのだけど、他の皆さんは、本当に平気なのだろうか?

来週末は留守にするので、次回更新は少し先になりそうです。