IN/OUT (2004.6.27)

今週は、初めての北京出張でした。


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初北京 (04.6.21-23)

散策酒店周辺

シンガポールから北京まで直行便で5時間半。深夜1時半に出発し、朝7時過ぎに到着するというフライトでは熟睡不可能。会議は午後からなので、到着後はホテルにチェックインし、まずは二時間ほど仮眠を取った。それからホテル周辺を歩いてみる。

空港からの高速の出口近く、場所的には北京市中心地域の外縁部に当たるところだと思う。やたらと広い道幅と、黄砂の本場らしい埃っぽさが印象的だ。マーケットがあったり、日本料理屋や韓国料理屋があったりと、きょろきょろしながら歩く分には楽しいが、道路を横断するのが怖い。歩行者無視で右折車が突っ込んでくる。台湾やベトナムでも怖いと思ったが、北京のドライバーのワイルドさはそれ以上だ。

北京燕莎友誼商城(ルフトハンザ・センター)というショッピングセンターに入ってみた。有名ブランドが並ぶ店内は、シンガポールの高島屋なんかより品揃えが豊富かもしれない。外国人居住者らしき人が主な客層のように見えたが、それにしても、大した経済発展というか市場経済化だと実感。


食北京拷鴨

二日目の会議後は、北京ダックの有名店での会食だった。本場、北京では、皮だけを削いで食べるなんてもったいないことはしない。身もしっかり食べるそうだ。食べ方は

  1. 皮の部分に、砂糖をまぶして食べる
  2. 肉の部分に味噌をつけ、長ネギと一緒に、小麦粉で作った皮=餅 に包んで食べる
  3. 肉の部分に味噌とおろしニンニクをつけ、キュウリの千切りと中華ハムの千切りと一緒に、小麦粉で作った皮=餅 に包んで食べる

これがこの店独自の食べ方なのか、北京での保守本流の食べ方なのかは分からないが、とにかく店の人と案内してくれた現地スタッフは「これが本場の北京ダックだ」と自信満々で食べ方を教えてくれた。

砂糖だけで食べるというシンプルなのも美味しいし、ニンニク風味もいける。しかし、シンガポールのLei Gardenの北京ダックが世界一美味しい食べ物だという私の確信を揺るがすほどではなかったのが、正直なところだ。というか、現地スタッフが奮発してくれたのだろう。肝心の北京ダックに辿り着くまでに、沢山の料理が出ていたのだ。もう少し空腹状態で食べれば評価は違ったかもしれない。


飲酒於硬石餐庁

食事後、Hard Rock Cafeに行ってみた。ここなら、案内無しで行っても、安全に飲めるだろうと考えたからだが、予想通りの(特に中国を意識させない)雰囲気だった。ライヴ演奏していたのは、マレーシアからの出稼ぎバンドだろうか? 男女のツイン・ヴォーカルで、Led Zeppelin、Rainbow、The Doors、The Police、Nena("99 Luftballons"!!)などなど節奏のない選曲ながら、演奏力はなかなかのものだった。Pink Floydの"Another Brick in the Wall, Pt. 2"が実にかっこよいプレイで感涙もの。白人団体客も大喜び。主な客層は、白人観光客、白人駐在員、外国人男性を引っかけることを目当てに来ているとおぼしき中国人お姉ちゃん(一応、私も声をかけていただける栄誉に浴したが)といったところだろうか。ジン三杯ほどで引き上げる。


遊歩天安門

天安門広場最終日、帰星するフライトは夕方の出発だったので、午前中、天安門広場までタクシーで行ってみた。タクシーの運転手に日本語や英語は通じないが、紙に「天安門」と書けばOK。便利だ。

朝の大変な交通渋滞の中、ようやく到着した天安門広場。広い。だいたいが、北京の町並みというのは、道幅も一軒一軒のビルも、やたらと巨大だ。この有名観光地にしても、予想以上に広い。

なにはともあれ、永久保存された毛沢東の遺体が安置されているという「毛主席記念堂」に入ってみる。入場料は無料だが、鞄やカメラの持ち込みが禁止なので、わざわざ広場横にある荷物一時預け所に行かなければならないのが面倒だ。それでも、入り口には長蛇の列ができている。外国人よりも、中国国内旅行者の方が多いようだ。一束二元の献花を買う人が多いことから、毛沢東が依然、民衆から高い支持を受けていることが伺える。遺体そのものは、確かに良好な保存状態のようだが、その意義=ここまで個人崇拝のようなものを押し付けなければ維持できない体制について考え始めても詮無いので、ちゃっちゃと館内を後にする(というか、館内で立ち止まることも禁止されているのだ)。館外では、毛沢東に因んだ記念品、お土産物が色々と売られている。あるいは、ここを訪れている中国の人にとって、毛沢東は国家の英雄というより、ある種「キャラクター商品化」された存在なのかも、という気もしてきた。

故宮博物院の中広場を突っ切って、こんどは天安門をくぐり故宮博物院=紫禁城を散策する。といっても、ここがまた広い。本気で見て回るには丸一日以上かかるだろう。もっとも、重要な美術工芸品などの大半は台北の故宮博物院の方に運ばれてしまっているので、どれだかの満足感が得られるのか分からないが…。

やんごとなき人が座った椅子途中、星巴克珈琲(Starbucks Coffee)で休憩しつつも、気温が高く、かなり疲労した。何も予習して行かなかったので、何がなんだか良く分からないが、やたらと門があり、広場があり、やんごとなきお方が座ったらしい椅子がある、という印象だ。そして、昔の建物も、ほんとにでかい。


なお、副題の似非中国語は適当だが、硬石餐庁や星巴克などは、(字体の違いはあるが)この通りの当て字だった。


タブレットPCをさらに試す (04.6.27)

先週購入した、HPのTablet PC TC1100だが、こちらで購入した英語キーボードへの換装、各種ソフトのセットアップ、メニューやディレクトリ構成の整理など、一通りのカスタマイズも完了し、ますます気に入ってきた。

キーボードを使う形状にした場合でも必要設置面積が普通のノートPCよりも狭くて済むので、飛行機のエコノミー席で前の人がリクライニングした状態でも問題なく使えてしまう。SDカードとPCカードスロットが付いているので、デジタルカメラの写真を閲覧するのにも好都合だ。無線LANのおかげで、自宅内のどこにいても、自由な姿勢でウェブ閲覧やメールチェックができるのが、これまた便利だ。

無線LANが11.bのみ(米国では、オプションで11.a/b/g マルチ対応のオプションが売られているのに、日本やシンガポールでは扱っていないようだ)だったり、日常的に持ち歩く気にはなれない重量など不満な点もあるが、この形状が携帯用Windowsマシンとしては理想型に近いという思いは強くなるばかりである。ただし、熱帯の国で抱えて使うには、やはりこの発熱は辛い。自宅内どこでもWeb閲覧は便利だが、10分も使っていると汗だくである。



中国に行くと、その活力と底力には驚嘆するものの、困ってしまうのが「並ばない人達」。シンガポール人だって、他国のことを言えるほどお行儀良くはないけど、中国は、ほんとに並ばない。荷物預け所でも、空港の税金支払所でも、横入りが当たり前、という感じです。空港の搭乗口でさえ、一列にならないんだもんなぁ…

来年には香港にディズニーランドがオープンし、大量の中国からの観光客が見込まれています。あのディズニーのことだから、「行列しない中国人対策」は打っているとは思うものの、不安を感じる今日この頃です。