IN/OUT (2004.5.16)

MRTの車内で、マナー向上を呼びかける放送がされるようになったのですが、これが、ベタベタのシングリッシュによる寸劇仕立てという、聞いていて腹が立つ代物。普通に「車内で物を食っちゃいかん」、とアナウンスする方がよっぽどましなのに。なんだか、中学校の生徒会が考えた道徳向上キャンペーンみたいな幼稚さというか、青臭さが感じられ、乗客を馬鹿にしているとすら思えます。シンガポール人的にはOKなのかなぁ?


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POPFile (04.5.16)

一日に届くspamが200通近くになってきた。メールソフトの設定で、特定の単語が出てくるメールをゴミ箱に振り分けるようにしていたが、すり抜けるものも多く、相当に鬱陶しい状況となってきた。そこで、新たにPOPFileを導入してみた。

これは、メールソフトとメールサーバの間でプロキシとして動き、ナイーブ・ベイズ法というアルゴリズムを使って、メールを分類するソフトである。要は、メールソフトが受信する前に、POPFileがメールを取り込んで、出てくる単語を分析し、メールを分類してくれるという訳だ。分析結果を学習していくので、使い込めば使い込むほど精度の高い分類をしてくれるようになる。一週間ほど使ってみたが、直近300件のメールに関しては、間違いが一件あっただけで、あとは完璧にspamはゴミ箱行きになっている。

もちろん、ゴミ箱を空にする前に分類間違いが無いかチェックする必要はあるが、作業性は大幅に向上している。何よりも、直接ゴミ箱行きのメールを受信した場合は、メール着信のメッセージが出ないため、メール着信→チェックしたらspamでがっかり、ということがほとんどなくなり、精神衛生上、非常に好ましい。さらに、分析結果を学習させていく過程が、育成している、という感じで楽しかったりもする。

もっとも、こういうフィルタリング・ソフトが発達する → spamが受け取られる可能性が減る。 ということで、spam送信業者は、可能性が減ったなら母数を増やして勝負とばかり、送信数をさらに増やすことになるのかもしれない。困ったことである。



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"TROY" (04.5.15)

ホメロスの叙事詩「イリアス」を元に、Wolfgang Petersenが映画化した作品を観てきた。

トロイ戦争についてきちんとした知識が無い私でも知っている有名なネタ、「ヘレン」「木馬」「アキレス腱」を、三題噺の如くきっちり押さえつつ、これだけの大掛かりな作品を破綻無くまとめ上げたWolfgang Petersen監督、さすがの職人技である。しかし、彼の作品を観ていつも思う、きちんとまとまっているが、それ以上でもそれ以下でもないという印象が、この歴史大作にも感じれられる。

圧倒的な人海戦術による戦闘シーンは確かに凄いが、CGによるこうした効果を見慣れた2004年の観客には、それほどの驚きは無い。Brad Pitt扮するアキレスは、あまりにも格好良すぎるし、ヘレンを演じたDiane Kruger嬢に対しては、伝説の絶世の美女がこれ? という疑問がつきまとう。Orlando Bloomが演じるパリスのヘナチョコぶりだけは、適役だったが…。ということで、感情移入できる人物がいないのが、痛かった。

トロイの木馬の話を最初に聞いたとき、人が乗って遊ぶ小さな木馬しか知らない子供には具体的なイメージが湧かず、木馬と言う言葉に別の意味があるのか、それとも何かの比喩なのか、と混乱したことを覚えている。本当に大きな木馬だったのだと分かった後でも、あまりにも突飛すぎる気がしていた。それがきちんと映像化されていて、なるほど、と思えたのが唯一の収穫か。



社内の食事会でも、私なんかには気恥ずかしくなるような「愛社精神アップ替え歌」を披露するローカルスタッフがいたりして、「優等生が仕切る中学校の生徒会ノリ」のようなものを社会全体に感じることが多々あります。そうしたものを国民に浸透させたことが、多民族を融和させ、東南アジアの小国としては驚異的な先進国化の達成につながったのだろうとは思うものの、何だかなぁ…